改葬許可申請書の書き方と、関西7市の窓口・手数料・郵送の可否

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改葬許可申請書の書き方

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※2026年10月時点の情報です。

この記事の結論

  • 改葬許可は、今のお墓(遺骨が今ある場所)がある市区町村に申請します。新しいお墓の市区町村ではありません。
  • 基本の書類は「改葬許可申請書」「埋蔵(収蔵)証明」の2つです。申請者が墓地使用者でなければ「承諾書」、自治体によっては「受入証明書」と「本人確認書類」も必要です。
  • 関西の主要7市を調べたところ、手数料は5市が無料、奈良市が1枚300円でした(神戸市は、市立墓園からの改葬が1体300円と許可書の郵送料110円。一般の墓地からの改葬は公式ページに記載なし。窓口で確認)。郵送は4市で可能、オンライン申請は奈良市で確認できました。
  • 申請書は遺骨1体につき1枚の市が多く、堺市のように1枚で5体まで書ける市もあります。
この記事の目次
  1. 改葬許可とは? どの法律で決まっているのか
  2. 改葬許可申請に必要な書類は?
  3. 改葬許可申請書の書き方は? 項目別に解説
  4. 関西の主要7市では、窓口・手数料・郵送はどう違う?
  5. 遺骨が複数あるとき、遺骨の情報がわからないときは?
  6. 改葬許可証を受け取ったら、次に何をする?
  7. 散骨や手元供養にする場合、改葬許可は要る?
  8. 自分で書くのが難しいときの相談先
  9. よくある質問
  10. 出典

全国の改葬件数は令和6年度に約17.6万件です(総務省東北管区行政評価局の資料。厚生労働省「衛生行政報告例」による)。多くの人が通る手続きですが、様式や添付書類は自治体ごとに少しずつ違います。この記事では、法律で決まっている共通部分と、市ごとに違う部分を分けて整理します。

改葬許可とは? どの法律で決まっているのか

この章のポイント

  • 改葬には市町村長の許可が要る(墓地埋葬法第5条)
  • 申請先は、遺骨が今ある場所の市区町村
  • 申請書に書く項目は、施行規則第2条で決まっている

墓地埋葬法 第5条:改葬には市町村長の許可が要る

墓地、埋葬等に関する法律(以下、墓地埋葬法)第5条第1項は、「埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない。」と定めています。

改葬とは、埋葬した遺体を他の墳墓に移す、または埋蔵・収蔵した焼骨を他の墳墓や納骨堂に移すことです(墓地埋葬法第2条第3項)。墓じまいをして遺骨を永代供養墓や納骨堂に移す場合も、改葬にあたります。

申請先は「今のお墓がある市区町村」

同じ第5条の第2項で、改葬の許可を出すのは、遺体や焼骨が今ある場所の市区町村長とされています。

  • 大阪市にある墓から京都市の納骨堂へ移す → 申請先は大阪市(墓がある区の区役所)
  • 遠方の実家近くの墓を、自宅近くへ移す → 申請先は実家側の市区町村

親のお墓が遠方にある場合、申請先も遠方になります。郵送で受け付けているかどうかが、実務では大きな違いになります(後半の市ごとの比較を参照)。

申請書の中身は施行規則 第2条で決まっている

申請書に書く項目と添付書類は、墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第2条で決められています。自治体の様式は見た目が違っても、書く内容の骨格は同じです。

申請書と市役所のイラスト

改葬許可申請に必要な書類は?

この章のポイント

  • 基本の書類は、改葬許可申請書と埋蔵(収蔵)証明書の2つ
  • 申請者が墓地使用者でなければ、原則として承諾書も要る
  • 京都市・堺市は、改葬先が決まっていないと申請できない

改葬許可申請書

  • 誰が用意するか:申請者
  • 根拠・備考:施行規則第2条第1項。自治体の様式を使う

埋蔵(収蔵)証明書

  • 誰が用意するか:今の墓地・納骨堂の管理者
  • 根拠・備考:施行規則第2条第2項第1号。申請書の証明欄に記入・押印してもらう形式が多い

承諾書

  • 誰が用意するか:墓地使用者
  • 根拠・備考:施行規則第2条第2項第2号。申請者が墓地使用者でない場合に、原則として必要(承諾書の代わりに、これに対抗できる裁判の謄本などでもよい)

受入証明書

  • 誰が用意するか:改葬先の墓地・納骨堂の管理者
  • 根拠・備考:法令の必須書類ではなく、市町村長が求める書類(同項第3号)。大阪市(平野区)・大津市は必要と案内

本人確認書類

  • 誰が用意するか:申請者
  • 根拠・備考:運転免許証、マイナンバーカードなど。郵送では写しを同封する市が多い

委任状

  • 誰が用意するか:申請者
  • 根拠・備考:代理人が申請する場合
改葬許可証が出るまでの流れ。受入証明書、埋蔵証明書、改葬許可申請書を経て改葬許可証が交付される

埋蔵(収蔵)証明書:今のお墓の管理者に書いてもらう

お寺の墓地なら住職、公営墓地なら管理事務所、民営霊園なら管理会社が「管理者」です。申請書の下段に証明欄がある様式が多く、別紙の証明書でもよいとする市もあります(堺市・奈良市・大津市)。

堺市は「現在、納骨している墓地・お寺等の証明印(別紙でも可)がなければ、申請できません」と案内しています。まずこの証明をもらうことが、手続きの最初の関門です。

管理者がいない共同墓地などで証明をもらえない場合について、施行規則は「市町村長が必要と認めるこれに準ずる書面」でもよいとしています。どんな書面が認められるかは、窓口で相談してください。

受入証明書:改葬先が決まってから

改葬先の霊園・納骨堂・寺院に発行してもらう書類です。大阪市(平野区)は霊園の使用許可書や契約書でもよいとし、大津市は使用許可証の写しでも可としています。

京都市・堺市は、改葬先が決まっていないと申請できないと案内しています。墓じまいの順番としては、改葬先を先に決めることになります。

承諾書:申請者と墓地使用者が違うとき

墓地の名義人(墓地使用者)が亡くなった父で、承継の手続きをしていない場合などに起こります。きょうだいの誰が申請者になるか、名義は誰かを、先に確認しておくと進めやすくなります。京都市は承諾書の様式を公開しています。

改葬許可申請書の書き方は? 項目別に解説

この章のポイント

  • 様式の並び順が違っても、書く内容は同じ
  • 氏名は戸籍上の氏名(俗名)を書く。戒名ではない
  • わからない項目の扱いは市で違う(不詳・不明・空欄可)

ここでは、施行規則第2条第1項の順に項目を並べます。自治体の様式では並び順が違うことがありますが、書く内容は同じです。

① 死亡者の本籍・住所・氏名・性別(第1号)

  • 本籍・住所:亡くなった時点のものを書きます。今の家族の本籍ではありません。
  • 氏名:戸籍上の氏名(俗名)です。戒名ではありません。
  • 死産の場合:父母の本籍・住所・氏名と、死児の性別を書きます。

② 死亡年月日(第2号)

和暦で書く様式が多いです。死産の場合は分娩年月日です。

③ 埋葬または火葬の場所(第3号)

火葬した場合は火葬場の名称を書きます(堺市の記入方法では「堺市立斎場」が例として挙げられています)。土葬の場合は、埋葬した墓地の所在地と名称です。

④ 埋葬または火葬の年月日(第4号)

火葬日がわからない場合の扱いは、次の「わからない項目」の節を参照してください。

⑤ 改葬の理由(第5号)

「墓じまいのため」「墓地移転のため」「親族の墓に合葬するため」など、簡潔に書きます。神戸市の書き方見本でも、新しい墓地への移転や墓じまいといった理由の例が示されています。

⑥ 改葬の場所(第6号)

改葬先の所在地と名称です(例:〇〇市〇〇町〇-〇 〇〇霊園 納骨堂)。和歌山市は、この欄が空欄だと受け付けないと案内しています。

⑦ 申請者の住所・氏名、死亡者との続柄、墓地使用者等との関係(第7号)

  • 続柄:堺市の記入方法では「死亡者からみた申請者との続柄」を書くとしています。たとえば亡くなった父の遺骨を子が改葬するなら「子」です。
  • 墓地使用者等との関係:申請者が墓地使用者本人なら「本人」と書きます。本人以外なら、原則として墓地使用者の承諾書が必要です(承諾書の代わりに、これに対抗できる裁判の謄本などでもよいとされています。施行規則第2条第2項第2号)。

管理者の証明欄

ここに注意

京都市は、証明欄に書く所在地は墓地または納骨堂の所在地であり、寺院の所在地ではない点に注意を促しています。お寺と墓地の場所が離れている場合は特に確認してください。

よくある記入ミス

新しいお墓の市区町村に申請した

  • どうなるか:受け付けてもらえない
  • 対策:申請先は今のお墓がある市区町村(墓地埋葬法第5条第2項)

続柄を「申請者から見た死亡者」で書いた

  • どうなるか:訂正を求められることがある
  • 対策:様式の注記を確認する。堺市は「死亡者からみた申請者」

改葬の場所が未記入・未定

  • どうなるか:受付不可(和歌山市・京都市・堺市の案内)
  • 対策:改葬先の契約を先に済ませる

証明欄の所在地を寺院の住所で書いた

  • どうなるか:訂正を求められることがある
  • 対策:墓地・納骨堂の所在地を書く(京都市の注意)

複数の遺骨を1枚にまとめた

  • どうなるか:出し直しになることがある
  • 対策:1体1枚の市が多い。下の表で確認

申請者が名義人でないのに承諾書がない

  • どうなるか:受け付けてもらえないことがある
  • 対策:原則として墓地使用者の承諾書を添付

筆記具

  • どうなるか:様式による
  • 対策:堺市は太枠内を黒か青のボールペンで記入と案内

わからない項目はどう調べる?

古い遺骨ほど、本籍や火葬日がわからないことがあります。調べ方の順番は次のとおりです。

  1. お墓の管理者に聞く墓地の台帳や過去帳に、氏名・死亡日が残っていることがあります。大津市は、遺骨の詳細は市では管理していないため、墓地管理者に問い合わせるよう案内しています。
  2. 除籍謄本・戸籍謄本を取る亡くなった時点の本籍は、戸籍・除籍で確認できます。2024年3月1日からは、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍証明書・除籍証明書を請求できる「広域交付」が始まりました。ただし、請求できるのは本人・配偶者・直系の親族に限られ、郵送や代理人による請求はできません。コンピュータ化されていない一部の戸籍も対象外です(法務省)。
  3. 火葬許可証・埋葬許可証の控え骨壺と一緒に納められていることがあります。
  4. それでもわからなければ、自治体の指示に従って書く(次の表)。
市わからない項目の扱い(公式案内)
京都市空欄にせず「不詳」と書く
和歌山市本籍がわからない場合は「不詳」と書ける
神戸市亡くなった当時の本籍がわからない場合は「不明」と書く
堺市当時の本籍や火葬日などがわからない場合は空欄でも可
大阪市・奈良市・大津市公式ページに記載なし(窓口で確認)

関西の主要7市では、窓口・手数料・郵送はどう違う?

この章のポイント

  • 手数料は5市が無料、奈良市は1枚300円
  • 郵送は大阪市(平野区)・神戸市・大津市・和歌山市で可能
  • オンライン申請は奈良市で確認できた

各市の公式ページを、2026年10月24日に確認しました。ページに記載がなく確認できなかった項目は「公式ページに記載なし(窓口で確認)」としています。

大阪市

  • 窓口:墓地・納骨堂がある区の区役所(例:平野区は住民情報課)
  • 手数料:無料(平野区ページ)
  • 郵送:可(返信用封筒を同封。本人確認書類以外は原本)
  • オンライン申請:公式ページに記載なし(窓口で確認)
  • 様式:平野区の案内ページ(区ごとにページあり)
  • 確認日:2026-10-24

堺市

  • 窓口:堺市立斎場(堺区田出井町4-1、9時〜17時15分)
  • 手数料:無料
  • 郵送:不可(市ページの表記)
  • オンライン申請:公式ページに記載なし(窓口で確認)
  • 様式:改葬許可申請書
  • 確認日:2026-10-24

京都市

  • 窓口:医療衛生センター(中京区)、各区役所・支所の医療衛生コーナー
  • 手数料:無料
  • 郵送:公式ページに記載なし(窓口で確認)
  • オンライン申請:不可(申請書の作成フォームはあるが、提出は窓口)
  • 様式:改葬許可申請
  • 確認日:2026-10-24

神戸市

  • 窓口(一般の墓地):健康局斎園管理課(市役所1号館20階)
  • 窓口(市立墓園):各墓園管理事務所
  • 手数料:市立墓園からの改葬は1体300円(市のページでは「埋蔵・収蔵証明手数料」「許可書発行手数料」の両方の表記あり)と許可書の郵送料110円。一般の墓地からの改葬は公式ページに記載なし(窓口で確認)
  • 郵送:可(一般の墓地は「原則郵送」)
  • オンライン申請:公式ページに記載なし(窓口で確認)
  • 様式:改葬の許可
  • 確認日:2026-10-24

奈良市

  • 窓口:斎苑管理課(市役所中央棟3階)
  • 手数料:1枚300円
  • 郵送:公式ページに記載なし(窓口で確認)
  • オンライン申請:可(LoGoフォーム。マイナンバーカードとキャッシュレス決済が必要)
  • 様式:改葬許可申請
  • 確認日:2026-10-24

大津市

  • 窓口:戸籍住民課(本館1階)、各支所(市民センター)
  • 手数料:無料
  • 郵送:可(返信用封筒と本人確認書類の写しを同封)
  • オンライン申請:公式ページに記載なし(窓口で確認)
  • 様式:墓じまい、改葬許可申請について
  • 確認日:2026-10-24

和歌山市

  • 窓口:市民課(市役所1階)、各サービスセンター
  • 手数料:無料
  • 郵送:可(返信用封筒と本人確認書類の写しを同封)
  • オンライン申請:公式ページに記載なし(窓口で確認)
  • 様式:改葬許可申請書
  • 確認日:2026-10-24

各市の注意点

  • 大阪市は区ごとに受付ページがあります。上の一覧は平野区の案内をもとにしています。墓地がある区のページで、窓口の課名と郵送先を確認してください。
  • 堺市の「郵送不可」は、市の申請書ダウンロードページの表記です。このページの最終更新日は2018年3月20日のため、遠方から手続きする場合は斎場(072-228-0167)に確認すると確実です。
  • 神戸市は、市立墓園(鵯越・舞子・西神など)にある遺骨と、それ以外の墓地の遺骨で窓口が違います。市立墓園からの改葬は、手数料300円と許可書の郵送料110円を納めます。
  • 奈良市のオンライン申請は、マイナンバーカード(券面事項入力補助用の暗証番号4桁)と、マイナサインに対応したスマートフォン、クレジットカードかPayPayが必要です。同時に4件まで申請でき、許可書は後日郵送されます。手数料とは別に郵送料がかかります。
  • 京都市は、市内の医療衛生コーナーならどこでも申請できます(お墓がある区に限られません)。医療衛生コーナーでは電話相談を受け付けておらず、相談は医療衛生センターが受けます。

許可証はどのくらいで出る?

  • 京都市:原則としてその場で発行(複数の申請は時間がかかることがある)
  • 大津市:窓口は受付後10〜30分程度、郵送は受付後1〜2日(配達日数は別)
  • 神戸市:原則郵送。窓口でも受け付けるが、発行まで待つことになる

郵送の場合は、不備があるとやりとりが複数回になります(大津市の案内)。書類を送る前に、証明欄の押印や承諾書の有無をもう一度確認してください。

遺骨が複数あるとき、遺骨の情報がわからないときは?

この章のポイント

  • 1枚に書ける体数は市で違う。堺市は1枚で5体まで
  • 墓じまいの前に、何体あるか・誰の遺骨かを管理者と確認する
  • 遺骨が残っていない場合の扱いは、窓口に相談する

1枚に何体まで書けるかは市によって違う

市申請書の枚数
大阪市(平野区)1名につき1枚
堺市1枚で5体まで
京都市1体につき1部(申請書1枚と許可証2枚の計3枚で1部)
神戸市1体ごとに1通
奈良市1体につき1枚(手数料も1枚300円)
大津市1体につき1枚
和歌山市1人につき1枚

先祖代々のお墓には、何体もの遺骨が入っていることがあります。墓じまいの前に、何体あるか、誰の遺骨かを管理者と一緒に確認しておくと、申請書の枚数と埋蔵証明の内容がそろいます。奈良市のように1枚ごとに手数料がかかる市では、体数がそのまま費用に関わります。

誰の遺骨かわからない、骨壺がない場合

  • 氏名などがわからない遺骨の書き方は、市によって「不詳」「不明」「空欄可」と扱いが違います(前の表を参照)。
  • 土葬の遺体が土に還っていたり、遺骨が残っていなかったりすることがあります。奈良市は、遺骨が存在しない場合は改葬の手続きは不要としています。ほかの市でも、遺骨を取り出したら残っていなかった場合の扱いは、窓口に相談してください。
  • 埋蔵証明を出す管理者がいない、管理者も記録を持っていない場合は、施行規則の「これに準ずる書面」の扱いになります。何を出せばよいかは自治体の判断です。

改葬許可証を受け取ったら、次に何をする?

この章のポイント

  • 許可証を管理者に見せ、遺骨を取り出す日を決める
  • 許可証は改葬先に提出する。手元には残らない(京都市)
  • 分骨には改葬許可は不要と案内する市もある(大津市)

許可証を受け取ってからの一般的な流れは次のとおりです。

  1. 今のお墓の管理者に許可証を見せ、遺骨を取り出す日を決めるお寺の墓地では、閉眼供養(魂抜き)を頼むことが多いです。
  2. 石材店に墓石の撤去と区画の返還を依頼する墓地の管理規則で、石材店が指定されている場合があります。
  3. 遺骨を取り出し、改葬先へ運ぶ
  4. 改葬先に許可証を提出して納骨する許可証は改葬先に提出するため、京都市は「改葬が完了すると、許可証はお手元に残りません」と案内しています。
  5. 今の墓地の使用契約を終える

墓じまい全体の段取りや、お寺への相談の仕方は、次の記事で順番にまとめています。

墓じまいの進め方と手続き

費用の内訳は墓じまいの費用相場と内訳で扱っています。公営墓地の使用料還付など、関西で使える制度は墓じまいの補助金(関西2府4県)をご覧ください。墓じまい費用そのものへの補助金は、関西2府4県の111市のうち105市を調べた範囲では見つかりませんでした(2026年10月調査)。

分骨の場合は改葬許可は要らない?

大津市は、遺骨の一部を別の場所に移す「分骨」には改葬許可は不要で、今の墓地の管理者から分骨証明書をもらって分骨先に出す、と案内しています。分骨の扱いも自治体と墓地の運用によるため、今のお墓がある市区町村で確認してください。

散骨や手元供養にする場合、改葬許可は要る?

この章のポイント

  • 散骨や手元供養は、墓地・納骨堂への移動ではない
  • 厚生労働省の見解では、改葬許可は必要ないとされる
  • 遺骨の取り出し方は、窓口と墓地の管理者に確認する

墓地埋葬法の改葬は、遺骨を「他の墳墓又は納骨堂に移す」ことを指す制度です。散骨(海や山に撒く)や手元供養(自宅で保管する)は、墓地・納骨堂への移動ではありません。

総務省東北管区行政評価局の資料では、厚生労働省の見解として、墓じまいで取り出した焼骨を自宅に安置する場合や散骨する場合は、市町村長の改葬許可は必要ないとされています(守口市の手引きも、墓地から自宅へ移すだけなら不要で、さらに他の墓地に移す場合は改葬許可が必要と案内しています)。

ただし、遺骨を取り出すときの墓地の扱いや書類は異なることがあるため、窓口と墓地の管理者に確認してください。今回確認した関西7市の公式ページには、散骨や手元供養の扱いについての記載は見当たりませんでした。

散骨や手元供養を考えている場合は、次の順で確認すると進めやすくなります。

  1. 今のお墓がある市区町村の窓口散骨(または手元供養)にしたいと伝え、改葬許可の要否と、遺骨を取り出すときに必要な書類を聞く
  2. 今の墓地の管理者許可証がなくても遺骨を取り出せるかを聞く(管理規則で求められることがあります)
  3. 散骨事業者依頼時に必要な書類を聞く

一部を散骨し、残りを納骨堂に納める場合は、改葬と分骨の手続きが組み合わさることもあります。改葬先の選択肢の比較は墓じまい後の選択肢(樹木葬・永代供養・納骨堂・散骨の比較)をご覧ください。

自分で書くのが難しいときの相談先

  • 今のお墓がある市区町村の窓口:様式の書き方、わからない項目の扱い、郵送の可否を聞けます。申請前に電話で確認するのが近道です。
  • 墓地の管理者(お寺・霊園):埋蔵証明、遺骨の体数と氏名の確認。
  • 行政書士:改葬許可申請の書類作成や申請を代行してもらうこともできます。神戸市の書き方見本にも、業者に申請を任せる場合は委任状が必要との記載があります。
  • 墓じまい代行サービス・石材店:手続きの段取りから墓石撤去までをまとめて頼めるサービスもあります。

本サイトでは、個別の申請書類の作成や代行は行っていません。この記事の書き方は一般的な説明です。ご家族の事情(名義の承継、相続、遠方の親族との調整など)によっては、行政書士や司法書士に相談してください。

よくある質問

Q1. 改葬許可申請は郵送でできますか?

自治体によります。2026年10月時点で、大阪市(平野区)・神戸市・大津市・和歌山市は郵送で受け付けています。

堺市は市のページに「郵送不可」とあります。京都市・奈良市は公式ページで郵送の可否を確認できませんでした。郵送の場合は、切手を貼った返信用封筒と本人確認書類の写しを同封するのが一般的です。

Q2. 改葬許可申請の手数料はいくらですか?

今回調べた関西7市では、大阪市(平野区)・堺市・京都市・大津市・和歌山市が無料、奈良市が1枚300円でした。神戸市は、市立墓園からの改葬は1体300円(市のページでは「埋蔵・収蔵証明手数料」「許可書発行手数料」の両方の表記あり)と許可書の郵送料110円です。

一般の墓地からの改葬の手数料は公式ページに記載がありません(窓口で確認)。郵送の場合は、別に切手代がかかります。

Q3. 改葬許可証はどこで取りますか? 新しいお墓の市役所ですか?

今のお墓(遺骨が今ある場所)がある市区町村で取ります。墓地埋葬法第5条第2項で、許可を出すのは遺骨が今ある場所の市町村長と決められています。

Q4. 改葬先が決まっていなくても申請できますか?

京都市と堺市は、改葬先が決まっていないと申請できないと案内しています。和歌山市も「改葬の場所」が空欄の申請は受け付けません。先に改葬先を決め、受入証明書や使用許可証をそろえてから申請するのが一般的です。

Q5. 墓地の名義人ではない子どもでも申請できますか?

申請できますが、原則として墓地使用者(名義人)の承諾書が必要です(承諾書の代わりに、これに対抗できる裁判の謄本などでもよいとされています。施行規則第2条第2項第2号)。名義人が亡くなっている場合は、承継の手続きが先に必要になることがあるので、墓地の管理者に確認してください。

Q6. 改葬許可証はどれくらいで発行されますか?

京都市は原則として窓口でその場で発行、大津市は窓口なら10〜30分程度、郵送なら受付後1〜2日(配達日数は別)と案内しています。書類に不備があると日数が延びます。

出典

執筆・編集:しまい支度編集部(編集方針)

最終確認日:2026年10月24日