墓じまいの進め方と手続き|5つのステップと必要書類、期間の目安

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墓じまいの進め方と手続き

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※2026年10月時点の情報です。

この記事でわかること

  • 墓じまいを始めてから終えるまでの順番と、それぞれ誰とやるか
  • 改葬許可申請に必要な書類(基本の2つと、求められることがある受入証明書)と、許可証が出るまでの流れ
  • 離檀料、名義人の死亡、遠方など、つまずきやすい場面での対処
この記事の目次
  1. 墓じまいはどんな順番で進める?全体の流れと期間の目安
  2. 始める前に、何を決めておけばいい?
  3. 改葬の手続きでは、どの書類が必要?許可証が出るまでの流れ
  4. 墓じまい当日までに、どんな段取りが必要?
  5. 新しい納骨先は、どう選ぶ?
  6. つまずきやすい場面では、どう対処する?
  7. 自分でやるか、代行に頼むか?
  8. 墓じまいの進行チェックリスト(印刷用)
  9. 費用はいくら?補助金は使える?
  10. 迷ったときは、どこに相談する?
  11. よくある質問
  12. 出典

墓じまいはどんな順番で進める?全体の流れと期間の目安

この章のポイント

  • 親族の合意から新しい納骨先への納骨まで、5つの順番で進める
  • 鎌倉新書の2020年の調査では、約7割が3か月以内に終えている
  • 全国の改葬件数は、平成26年度から令和6年度に倍増した

墓じまいは、次の5つの順番で進めます。

① 親族の合意 → ② 遺骨の行き先を決める → ③ 改葬の書類をそろえる → ④ 閉眼供養と墓石の撤去 → ⑤ 新しい納骨先へ納骨

墓じまいの5つのステップ。1 親族の合意、2 遺骨の行き先を決める、3 改葬の書類をそろえる、4 閉眼供養と撤去、5 新しい納骨先へ納骨

期間の目安として、鎌倉新書「第2回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2020年)」では、改葬・墓じまいにかかった期間が「1か月未満」27.7%、「3か月未満」42.3%で、約7割が3か月以内に終えています。ただし、この調査は期間をどこから数えたかを示していません。親族の話し合いや納骨先の見学に時間がかかる家では、これより長くなることもあります。

墓じまいをする人は増えています。厚生労働省「衛生行政報告例」によると、全国の改葬件数は平成26年度の約8.4万件から、令和6年度は約17.6万件に倍増しました(総務省東北管区行政評価局の資料による)。

全体の流れ(一覧)

① 親族の合意

  • 誰とやるか:きょうだい、墓地の名義人、墓に入っている故人の近い親族
  • 期間:家族の人数や関係で大きく変わる
  • 費用の目安:基本的にかからない(集まる交通費など)

② 遺骨の行き先を決める

  • 誰とやるか:新しい納骨先(霊園・寺院・納骨堂など)
  • 期間:見学・比較・契約までの期間。候補の数で変わる
  • 費用の目安:納骨先の種類で大きく異なる(墓じまい後の選択肢)

③ 改葬の書類をそろえる

  • 誰とやるか:新しい納骨先、今のお墓の管理者、市区町村の窓口
  • 期間:窓口では当日交付の例がある(守口市は約30分と案内)。郵送では往復の日数が加わる
  • 費用の目安:申請手数料は無料〜1体300円の例(堺市・三木市・守口市)。戸籍謄本などの取得費が別にかかる

④ 閉眼供養と墓石の撤去

  • 誰とやるか:お寺(僧侶)、石材店、墓地の管理者
  • 期間:お寺と石材店の日程調整しだい
  • 費用の目安:閉眼供養のお布施、墓石の撤去費など(墓じまいの費用相場と内訳)

⑤ 新しい納骨先へ納骨

  • 誰とやるか:新しい納骨先
  • 期間:納骨先の受付日程しだい
  • 費用の目安:納骨料などは納骨先による
家族でやることを確認するイラスト

始める前に、何を決めておけばいい?

この章のポイント

  • 最初に話すのは、お墓の名義人と祭祀承継者
  • 反対されたら、理由(気持ち・お金)ごとに伝え方を変える
  • 遺骨の行き先が決まらないと書類がそろわず、手続きが止まる

親族の誰に、どの順番で話す?

最初に話す相手は、お墓の名義人(墓地使用者)と、お墓を継いでいる人(祭祀承継者)です。改葬許可申請は、原則として名義人が行うか、名義人の承諾を得て行います。

そのあと、きょうだいと、お墓に入っている故人と近い親族(おじ・おばなど)に話します。あとから「聞いていない」と言われると、話がこじれやすくなるためです。

話し合いでは、次の4点を一緒に伝えると、相手も判断しやすくなります。

  • 墓じまいを考えた理由(遠方でお参りが難しい、継ぐ人がいない、など)
  • 遺骨の行き先の候補
  • 費用の総額の見込みと、誰がどう負担するか
  • 墓じまい後のお参りや供養をどうするか

反対されたら、どうする?

反対の理由は、大きく「気持ち」と「お金」に分かれます。理由ごとに、伝え方を変えてみてください。

よくある反対の理由伝え方の例
ご先祖に申し訳ない閉眼供養をしてから移すこと、移った先でもお参りできることを伝える
お参りする場所がなくなる新しい納骨先の場所や、お参りの方法を一緒に見に行く
費用が心配見積もりを取ってから、負担の分け方を相談する
決めるのが急すぎる時期を決めず、まず納骨先の見学から始める

すぐに合意できなくても、慌てる必要はありません。一度で結論を出そうとせず、資料を見せながら何度かに分けて話すほうが、進みやすいことがあります。

お寺・霊園には、どう切り出す?

お寺の墓地の場合は、いきなり「墓じまいします」と伝えるより、「相談したい」という形で切り出すほうが、話がこじれにくくなります。電話で日時を決めて、できれば直接うかがいます。

伝え方の例です。

「いつも先祖の供養をしていただき、ありがとうございます。実は、私たちが遠方に住んでいて、これからお墓を守り続けるのが難しくなってきました。家族で話し合い、お墓を移すことを考えています。進め方について、一度ご相談させていただけないでしょうか。」

ポイントは次の3つです。

  • これまでの感謝を先に伝える
  • 理由は、事情として具体的に話す(責める言い方にしない)
  • 「決定の通知」ではなく「相談」として話す

公営霊園や民営霊園の場合は、管理事務所に電話して、返還の手続きと、指定の石材店があるかどうかを確認します。

なぜ、遺骨の行き先を先に決める?

改葬許可申請書には、「改葬の場所」を書く欄があります(墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第2条)。そのため、新しい納骨先が発行する受入証明書(または契約書の写し)を求める自治体もあります。たとえば兵庫県三木市は、申請に必要な書類として「改葬先が分かるもの(改葬契約書、受入証明書の写し等)」を挙げています。

行き先が決まらないと、書類をそろえられず、手続きが止まります。だから、行き先を先に決めておきます。

自宅で保管する・散骨する場合

なお、自宅で遺骨を保管する場合や散骨する場合は、「他の墳墓又は納骨堂に移す」ことにあたらないため、改葬許可は不要とされています(総務省東北管区行政評価局の資料)。ただし、遺骨を取り出すときに改葬許可証の提示を求める墓地もあります。扱いは、今の墓地の管理者と市区町村の窓口に確認してください。

改葬の手続きでは、どの書類が必要?許可証が出るまでの流れ

この章のポイント

  • 申請先は、今、遺骨がある場所の市町村
  • 基本の書類は、改葬許可申請書と埋蔵(収蔵)証明書の2つ
  • 受入証明書を求める自治体もある。手数料や郵送の可否も市で違う

法律ではどう決まっている?

墓じまいで遺骨を別のお墓や納骨堂に移すことを、法律では「改葬」といいます(墓地、埋葬等に関する法律〔墓埋法〕第2条第3項)。改葬をするには、市町村長の許可が必要です(同法 第5条第1項)。

申請先は、今、遺骨がある場所の市町村です(同条第2項)。新しい納骨先の市町村ではない点に注意してください。

新しい納骨先の管理者は、改葬許可証を受け取らないと、焼骨を埋蔵・収蔵できません(同法 第14条)。

必要な書類(基本の2つと、求められることがある受入証明書)

基本になるのは、改葬許可申請書と、今のお墓の管理者による埋蔵(収蔵)証明書の2つです。

法令で申請書への添付が決まっているのは、埋蔵(収蔵)証明書と、名義人以外が申請する場合の名義人の承諾書です(施行規則第2条第2項第1号・第2号)。新しい納骨先の受入証明書は、施行規則に名前はありませんが、「その他市町村長が特に必要と認める書類」(同項第3号)として求める自治体があります。

受入証明書

  • 誰が作る・発行する:新しい納骨先(霊園・寺院・納骨堂)
  • 根拠・注意点:施行規則に名前はないが、「改葬の場所」の確認や「その他市町村長が特に必要と認める書類」として求める自治体がある

埋蔵(収蔵)証明書

  • 誰が作る・発行する:今のお墓の管理者(お寺・霊園)
  • 根拠・注意点:施行規則第2条第2項第1号で、申請書への添付が定められている。申請書の欄に証明してもらう形の自治体もある

改葬許可申請書

  • 誰が作る・発行する:申請者(原則として名義人)
  • 根拠・注意点:施行規則第2条第1項で、記載事項(故人の本籍・住所・氏名、死亡年月日、埋葬・火葬の場所と年月日、改葬の理由・場所など)が決まっている

場合によっては、次の書類も必要です。

  • 墓地使用者(名義人)の承諾書:名義人以外が申請する場合(施行規則第2条第2項第2号)
  • 故人と申請者の続柄がわかる戸籍謄本など
  • 申請者の本人確認書類、代理人が申請する場合は委任状

改葬許可証が出るまでの流れ

  1. 新しい納骨先と契約し、受入証明書をもらう
  2. 市区町村の窓口やWebサイトで、改葬許可申請書を入手する
  3. 今のお墓の管理者に、埋蔵(収蔵)証明をしてもらう
  4. 遺骨がある市町村の窓口に申請する郵送できる自治体もある
  5. 改葬許可証が交付される
  6. 遺骨を取り出し、新しい納骨先に改葬許可証を提出して納骨する

自治体によって何が違う?

細かい扱いは自治体ごとに違います。関西のいくつかの市の例です。

大阪府堺市

  • 手数料:無料
  • 郵送申請:不可
  • 申請書の単位:1枚で遺骨5体まで

大阪府守口市

  • 手数料:1枚300円
  • 郵送申請:記載なし(要問い合わせ)
  • 申請書の単位:遺骨1体につき1枚

兵庫県三木市

  • 手数料:1人300円
  • 郵送申請:可(定額小為替を同封)
  • 申請書の単位:1人につき1通

確認しておくこと

※各市の公式サイトの記載による。堺市のページは更新日が2018年のため、最新の扱いは窓口で確認してください。

申請書の書き方や、関西の主な自治体の窓口は改葬許可申請書の書き方と自治体別の窓口で詳しくまとめています。

書類の作成を頼むとき

書類の作成を代わりに頼む場合、報酬を得て官公署に出す書類を作れるのは、原則として行政書士です(行政書士法 第19条)。相続や名義の問題が絡む場合は、行政書士・司法書士に相談してください。

墓じまい当日までに、どんな段取りが必要?

この章のポイント

  • 墓石の撤去の前に、お寺に閉眼供養(魂抜き)を頼む
  • 遺骨を取り出す前に、新しい納骨先の受け入れ条件を確認する
  • 霊園に指定の石材店があるかを先に確認する

閉眼供養(魂抜き)をお寺に頼む

墓石を撤去する前に、お墓に宿った魂を抜くとされる供養を行います。一般に「閉眼供養」「魂抜き」と呼ばれます。考え方や呼び方は宗派によって違うため、菩提寺がある場合はそのお寺に、ない場合は石材店や霊園に僧侶の手配を相談します。

日程は、石材店の工事日の当日か、その直前に合わせるのが一般的です。お布施の金額は墓じまいの費用相場と内訳で扱います。

遺骨を取り出す(骨壺の状態を確認する)

遺骨の取り出しは、ふつう石材店が墓石の下の納骨室(カロート)を開けて行います。長く納められていた骨壺は、次のような状態になっていることがあります。

  • 骨壺の中に水がたまっている
  • 骨壺が割れている、ふたが開かない
  • 骨壺に入れず土に還す形で納められていて、遺骨が土と混ざっている

新しい納骨先によっては、遺骨を乾かす、洗う(洗骨)、粉にする(粉骨)といった処理を条件にしていることがあります。骨壺の大きさに決まりがある納骨堂もあります。取り出す前に、新しい納骨先の受け入れ条件を確認しておくと、当日あわてずに済みます。

墓石を撤去して、更地で返す

墓石を撤去し、区画を更地にして墓地の管理者に返します。進め方のポイントは次のとおりです。

  1. 霊園に指定の石材店があるかを先に確認する指定がある場合は、その石材店に依頼する
  2. 指定がなければ、複数の石材店から見積もりを取る内訳(撤去・運搬・処分・整地)を比べる
  3. 返還の書類や、返還の期限を管理事務所に確認する

公営墓地の場合

公営墓地では、使用料の一部が還付される場合があります(墓じまいの補助金(関西2府4県))。

新しい納骨先は、どう選ぶ?

主な選択肢は、樹木葬、永代供養墓(合葬墓)、納骨堂、散骨などです。費用だけでなく、お参りのしやすさ、ほかの遺骨と一緒になる時期、家族が将来入れるかどうかで比べます。

選び方と比較は墓じまい後の選択肢(樹木葬・永代供養・納骨堂・散骨の比較)でまとめています。

つまずきやすい場面では、どう対処する?

この章のポイント

  • 離檀料に明確な基準はない。納得できなければ「188」に相談
  • 名義人が亡くなっていたら、名義変更をしてから申請するのが一般的
  • 遠方なら、郵送や代理での申請ができる自治体がある

離檀料を高く求められたら?

国民生活センター「見守り新鮮情報」第424号(2022年6月)には、墓じまいを申し出た80歳代の女性が「300万円ほどの高額な離檀料」を求められた事例や、過去帳に8人の名前があるとして700万円と言われた事例が紹介されています。

国民生活センターは、離檀料を「檀家をやめるときに寺へのお礼として慣習的に支払う」ものと説明し、明確な基準はないとしています。なお、お寺との間で取り決めや規約がある場合は扱いが変わることもあるため、争いになったときは弁護士に相談してください。

対処の順番は次のとおりです。

  1. 金額の内訳と根拠を、落ち着いて尋ねる
  2. 家族や親族を交えて、改めてお寺と話し合う
  3. 納得できなければ、消費者ホットライン「188」に相談する
  4. 争いになった場合は弁護士に相談する報酬を得てお寺との交渉を代理できるのは、原則として弁護士です(弁護士法 第72条)。

埋蔵証明書を出してもらえない場合も、手続きが完全に止まるわけではありません。施行規則は、管理者の証明書によりがたい特別な事情がある場合、「市町村長が必要と認めるこれに準ずる書面」でよいとしています。

総務省東北管区行政評価局の資料(2026年1月公表)では、お寺が証明を拒んだ例で、市町村が墓石・墓誌の写真や戸籍謄本、使用許可証などを確認して改葬を許可した事例が紹介されています。まず、遺骨がある市町村の窓口に相談してください。

名義人が亡くなっている場合は?

お墓(墳墓)の権利は、相続財産とは別に、祖先の祭祀を主宰する人が引き継ぎます(民法 第897条)。故人の指定があればその人が、なければ慣習で決まり、慣習がはっきりしなければ家庭裁判所が定めます。

実務では、まず墓地の名義変更をしてから改葬許可を申請する流れが一般的です。名義変更が済んでいない場合に、陳述書などの提出で対応する自治体もあります(三木市の例)。誰が継ぐかで意見が分かれるときは、司法書士や弁護士に相談してください。

遺骨が何体あるかわからない場合は?

古いお墓では、何人が納められているかわからないことがよくあります。次の順で調べます。

  1. 墓石の横にある墓誌(故人の名前を刻んだ石板)を確認する
  2. お寺の過去帳や、霊園の埋葬記録を見せてもらう
  3. 戸籍謄本で、亡くなった家族を確認する
  4. 石材店に頼んで、工事の前に納骨室を開けて数を確認する

改葬許可申請書は、遺骨1体ごとに1枚とする自治体が多くあります(守口市・三木市など)。本籍や住所(守口市)、火葬年月日など(埼玉県熊谷市)がわからない場合は「不詳」と書くよう案内している自治体もあります。なお、土葬された遺体を改葬する場合は、先に火葬が必要になることがあります(熊谷市)。

遠方で何度も行けない場合は?

お墓が遠方にあると、移動の回数を減らす工夫が必要です。

  • 改葬許可申請は、郵送できる自治体がある(三木市、熊谷市など。堺市は郵送不可)
  • 委任状があれば、代理人が申請できる自治体がある(三木市は業者の従業員による代理申請の書類も案内)
  • お寺への相談、閉眼供養、遺骨の取り出しを、同じ日にまとめられないか相談する
  • 書類から撤去までを、代行業者にまとめて頼む

自分でやるか、代行に頼むか?

この章のポイント

  • 親族との話し合いは代行できず、自分で行う
  • 改葬の書類は行政書士、お寺との争いは弁護士が担い手になる
  • お墓が遠方で何度も現地に行けないなら、代行が向いている

代行に頼めるのはどこまで?

親族との話し合い

  • 自分でやる場合:自分で行う
  • 代行に頼む場合の主な担い手:代行できない(自分で行う)

新しい納骨先探し

  • 自分でやる場合:見学・比較して契約
  • 代行に頼む場合の主な担い手:代行業者が候補を紹介することがある

改葬許可申請の書類

  • 自分でやる場合:自分で書いて申請
  • 代行に頼む場合の主な担い手:行政書士(または行政書士と提携する業者)

閉眼供養

  • 自分でやる場合:菩提寺に依頼
  • 代行に頼む場合の主な担い手:業者が僧侶を手配することがある(菩提寺がない場合)

遺骨の取り出し・洗骨・粉骨

  • 自分でやる場合:石材店に依頼
  • 代行に頼む場合の主な担い手:代行業者・石材店

墓石の撤去・返還

  • 自分でやる場合:石材店に依頼
  • 代行に頼む場合の主な担い手:代行業者・石材店(指定石材店があればその店)

お寺との交渉

  • 自分でやる場合:自分で行う
  • 代行に頼む場合の主な担い手:争いになった場合は弁護士

自分でやるのが向いている人

  • お墓が近くにあり、平日に役所やお寺へ行ける
  • 遺骨の数や名義がはっきりしている
  • お寺や霊園との関係が良好

代行に頼むのが向いている人

  • お墓が遠方で、何度も現地に行けない
  • 遺骨の数や名義など、調べることが多い
  • 仕事や介護で、日程の調整が難しい

代行を比べるときは、次の点を確認してください。

  • 見積もりに、何が含まれて何が別料金か
  • 改葬の書類は誰が作るのか(行政書士が関わるか)
  • 霊園の指定石材店がある場合、その工事も手配できるか
  • 遺骨の状態によって追加費用がかかる条件

墓じまいの進行チェックリスト(印刷用)

始める前

  • お墓の名義人と、祭祀承継者を確認した
  • きょうだい・近い親族に話し、合意を得た
  • 費用の負担の分け方を決めた
  • お墓に入っている遺骨の数と、故人の名前を確認した
  • お寺・霊園に墓じまいの相談をした
  • 指定の石材店があるか確認した

行き先と書類

  • 新しい納骨先を決めて契約した
  • 受入証明書(または契約書の写し)を受け取った
  • 新しい納骨先の受け入れ条件(骨壺の大きさ、洗骨・粉骨の要否)を確認した
  • 遺骨がある市町村の窓口・郵送の可否・手数料を確認した
  • 埋蔵(収蔵)証明をもらった
  • 戸籍謄本・本人確認書類・委任状など、自治体が求める書類をそろえた
  • 改葬許可申請をして、改葬許可証を受け取った

当日と、そのあと

  • 閉眼供養の日程と、お布施を確認した
  • 石材店の見積もりを取り、工事日を決めた
  • 遺骨を取り出した
  • 墓石を撤去し、更地で返還した(返還書類を提出した)
  • 公営墓地の場合、使用料の還付の有無を確認した
  • 新しい納骨先に改葬許可証を出し、納骨した
  • 位牌・仏壇をどうするか決めた

費用はいくら?補助金は使える?

費用:墓じまいの費用は、次のものに分かれます。

  • 墓石の撤去費
  • 閉眼供養のお布施
  • 離檀する場合のお布施
  • 新しい納骨先の費用
  • 書類の手数料

鎌倉新書の2020年の調査では、かかった費用は「50万円以内」が40.8%、「51万円以上」が31.6%でした。内訳と相場は墓じまいの費用相場と内訳で詳しく見ていきます。

補助金:関西2府4県の111市のうち105市を2026年10月に調べたところ、墓じまいの費用そのものを補助する制度は見つかりませんでした。あったのは、公営墓地の「使用料の還付」と「合葬墓の減額」です。自治体ごとの一覧は墓じまいの補助金(関西2府4県)にまとめています。

迷ったときは、どこに相談する?

相談したいこと相談先
書類・申請の方法遺骨がある市区町村の窓口(戸籍・環境・斎場などの担当課)
撤去・返還の段取り墓地の管理者(お寺・霊園の管理事務所)、石材店
離檀料など金銭のトラブル消費者ホットライン「188」、弁護士
名義・相続の問題司法書士、行政書士、弁護士
全体をまとめて任せたい墓じまい代行業者

墓じまいは、順番を守れば一つずつ進められる手続きです。まずはお墓の名義と遺骨の数を確かめ、家族と話すところから始めてみてください。

よくある質問

Q1. 墓じまいは自分でできますか?

できます。改葬許可申請は、原則として、名義人本人か、名義人の承諾を得た人が行えます。

墓石の撤去は石材店に、閉眼供養はお寺に頼む必要がありますが、手続きの取りまとめは自分で進められます。お墓が遠方で何度も行けない場合は、郵送申請や代行の利用を検討してください。

Q2. 墓じまいには、どのくらいの期間がかかりますか?

鎌倉新書の2020年の調査では、約7割が3か月以内に終えています。親族の合意や納骨先探しに時間がかかると、長くなります。

Q3. お寺には、どう伝えればいいですか?

「決めたことの報告」ではなく「相談」として、直接うかがって話すのがおすすめです。これまでの供養への感謝を先に伝え、遠方に住んでいる、継ぐ人がいないなどの事情を具体的に話します。本文の例文も参考にしてください。

Q4. 離檀料は払わなければいけませんか?

国民生活センターは、離檀料を「檀家をやめるときに寺へのお礼として慣習的に支払う」ものと説明し、明確な基準はないとしています。金額に納得できない場合は、内訳を尋ねて話し合い、それでも難しいときは消費者ホットライン「188」や弁護士に相談してください。

Q5. 遺骨が何体あるかわからないときは、どうすればいいですか?

墓誌、お寺の過去帳、霊園の埋葬記録、戸籍謄本で確認し、最後は石材店に納骨室を開けてもらって数を確かめます。本籍や火葬日などがわからない項目を「不詳」と書くよう案内している自治体もあるため、遺骨がある市町村の窓口に相談してください。

Q6. 位牌や仏壇はどうすればいいですか?

位牌や仏壇は改葬許可の対象ではないため、墓じまいとは別に扱いを決めます。新しい納骨先や自宅に移すか、お寺で供養してもらってから処分するのが主な方法です。

出典

執筆・編集:しまい支度編集部(編集方針)

最終確認日:2026年10月24日