遺骨の行き先に困ったら|送骨・本山納骨・公営合葬墓の費用と条件

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遺骨の行き先に困ったときの選択肢:送骨・本山納骨・公営合葬墓の費用と条件

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※2026年10月時点の情報です。

結論:行き先のない遺骨は、どこに納められる?

自宅に置いたままの遺骨や、墓じまいで取り出した遺骨を、ごみとして捨てることはできません。ただし、お墓を新しく建てなくても納められる先はあります。この記事では、次の5つを比べます。

  • 公営の合葬墓・合葬式納骨堂:確かめた関西の3市では、京都市の2万円(粉状の焼骨・市内)から。大阪市・神戸市は1体5万円(神戸市は条件により使用料が半額)。東京都立霊園の合葬埋蔵施設は1体53,000円からで、令和8年度の受付は終了。住所などの条件がある
  • 本山納骨:宗派の本山に納める。公式サイトの表記では、大谷祖廟の2万円以上から。分骨のみの本山もある
  • 送骨(郵送での納骨):遺骨を郵送し、寺院や霊園に納めてもらう。料金と含まれるものは受け入れ先ごとに違う
  • 散骨:粉骨して海などにまく。海洋散骨の委託散骨で5万〜10万円(いいお墓の解説)。お参りする場所は残らない
  • 手元供養:自宅で保管を続ける。かかるのは骨壺などの容器代。次の行き先は先送りになる

※金額の出典と条件は、後の各章に記載しています。

決めるときは、次の3点を先に確かめると、選択肢をしぼりやすくなります。

  1. 遺骨を自分で運べるか:確かめた本山5か所と関西の3市の合葬墓は、いずれも遺骨を郵送で受け付ける案内がありません。運べないなら、送骨が候補になります
  2. 宗派やお寺とのつながりがあるか:本山納骨では、所属するお寺の証明を求める本山があります
  3. あとから取り出す可能性があるか:合祀・合葬した遺骨は返せないと明記する本山・霊園があります(4章・5章)。散骨した遺骨も戻せません

樹木葬や納骨堂も含めて比べたいときは、墓じまい後の遺骨はどこへ?6つの行き先を比較をご覧ください。

この記事の目次
  1. 遺骨を「処分」したいとき、捨ててはいけないのはなぜ?
  2. 5つの行き先を比べると、何が違う?
  3. 送骨(郵送での納骨)はどう進める?
  4. 本山納骨はどこで受け入れている? 条件と納骨料
  5. 公営の合葬墓に納めるには?
  6. 散骨・手元供養を選ぶなら、何に気をつける?
  7. 引き取り手がいない遺骨は、どう扱われる?
  8. 迷ったときは、どこに相談する?
  9. よくある質問
  10. 出典

遺骨を「処分」したいとき、捨ててはいけないのはなぜ?

この章のポイント

  • 遺骨を捨てると、刑法190条の「遺棄」にあたるおそれ
  • 墓地以外に遺骨を埋めることは、墓埋法4条で禁止
  • 墓地・納骨堂に納めるには、火葬許可証か改葬許可証

刑法190条:遺骨を捨てると「遺棄」にあたるおそれ

刑法190条(死体損壊等)は、次のように定めています。

死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の拘禁刑に処する。

遺骨をごみに出す、山や川に置いてくる、といった行為は、この「遺棄」にあたるおそれがあります。どんな行為が罪になるかは個別の事情で判断されるため、ここでは「おそれがある」という書き方にとどめます。

墓埋法:庭に埋めることも、勝手にはできない

「墓地、埋葬等に関する法律」(墓埋法)は、遺骨を納める場所と書類について、次のように定めています。

4条1項

「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。」

遺骨の行き先との関係:自宅の庭や私有地に遺骨を埋めることはできない

5条1項

埋葬・火葬・改葬をするには、市町村長(特別区の区長を含む)の許可が必要

遺骨の行き先との関係:お墓から取り出して別のお墓や納骨堂に移すときは、改葬許可が必要

14条1項・2項

墓地・納骨堂の管理者は、火葬許可証や改葬許可証などを受け取ってからでなければ、埋蔵・収蔵をさせてはならない

遺骨の行き先との関係:墓地や納骨堂に納めるには、書類が要る

つまり、遺骨を手放すときは、墓地・納骨堂など決められた場所に、書類をそろえて納めることになります。火葬をしたときの火葬許可証は、火葬場の管理者が必要な事項を記入して、火葬を求めた人に返すと定められています(墓埋法16条2項)。

散骨については、厚生労働省の「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」が、墓埋法が想定する埋蔵や収蔵以外の方法で焼骨をまくもの、という趣旨で定義しています。散骨と改葬許可の関係は、6章で説明します。

専門家への相談

法律の解釈や、親族の間で遺骨の扱いがまとまらないときの対応は、個別の事情によって変わります。最終的な判断は、弁護士・行政書士などの専門家に相談してください。手続きの細かな扱いは、遺骨を納める先やお墓のある自治体にも確認してください。

5つの行き先を比べると、何が違う?

この章のポイント

  • 公営の合葬墓は、関西の3市では最も低い区分で2万〜5万円
  • 確かめた5か所の本山納骨は持参が前提。分骨のみの本山もある
  • 合祀・合葬・散骨のあとは戻せない。手元供養は移せる

5つの行き先を、費用・運び方・書類・条件で比べました。金額は、各章で挙げた出典によるものです。

送骨(郵送での納骨)

  • 費用の目安:受け入れ先ごとに違う。料金は各寺院・霊園の公式案内で確認(3章)
  • 遺骨を運ぶ:郵送する(受け入れ先の案内に従う)
  • 主な書類:火葬許可証(火葬場で記入して返されたもの)または改葬許可証
  • 宗派・住所の条件:受け入れ先による
  • 取り出せるか:合祀したあとは取り出せない
  • お参り:受け入れ先の合祀墓などへ

本山納骨

  • 費用の目安:公式サイトの表記で、大谷祖廟の2万円以上から(4章)
  • 遺骨を運ぶ:自分で持参。確かめた5か所の公式ページに、遺骨を郵送で受け付ける案内はない
  • 主な書類:本山と納め方(一部・全部・改葬)で違う。所属寺院の証明を求める本山もある(4章)
  • 宗派の条件:本山による(知恩院は条件付きで宗派を問わない)
  • 取り出せるか:返せないと明記する本山がある
  • お参り:本山に参拝できる

公営の合葬墓

  • 費用の目安:関西の3市では、京都市2万円から、大阪市・神戸市は1体5万円(神戸市は条件により使用料が半額)。東京都立霊園の合葬埋蔵施設は1体53,000円から(5章)
  • 遺骨を運ぶ:確かめた関西の3市の案内に、遺骨を郵送で受け付ける記載はない。神戸市は持参と明記
  • 主な書類:申請書、火葬許可証または改葬許可証、住民票など
  • 住所の条件:あり(住民・元住民など。自治体によって違う)
  • 取り出せるか:合葬したあとは返せない
  • お参り:各市の霊園へ

散骨

  • 費用の目安:海洋散骨で、委託散骨5万〜10万円、合同散骨10万〜20万円、単独散骨20万〜30万円(いいお墓の解説、2024年10月10日公開。1体あたりかどうかの記載はなし)
  • 遺骨を運ぶ:業者に預ける(委託散骨なら家族は乗船しない)
  • 住所の条件:なし。ただし、散骨を条例で規制している市町村がある(6章)
  • 取り出せるか:まいた遺骨は戻せない
  • お参り:決まった場所は残らない

手元供養

  • 費用の目安:骨壺などの容器代。手元供養そのものに絶対必要な費用は基本的にない(いい仏壇の解説)
  • 遺骨を運ぶ:不要
  • 主な書類:墓埋法には、自宅での焼骨の保管について特に規定はない(東京都保健医療局のよくある質問)
  • 取り出せるか:手元にあるので、あとから別の行き先に納められる
  • お参り:自宅で

合祀型を含む永代供養の相場は永代供養の費用相場に、散骨の費用の内訳は散骨の費用相場にまとめています。

送骨(郵送での納骨)はどう進める?

この章のポイント

  • 送骨は、遺骨を寺院や霊園に郵送して納めてもらう方法
  • ゆうパックの「送れないもの」一覧に遺骨の記載はない。窓口で確認
  • 料金に何が含まれるかを、申し込む前に確かめる

送骨は、遺骨を寺院や霊園に郵送し、合祀墓などに納めてもらう方法です。遠方に住んでいて持参が難しいときや、遺骨を運ぶのが負担なときに使える方法です。

日本郵便の「ゆうパック」で遺骨は送れる?

日本郵便の公式サイトにある「ゆうパックで送ることができないものは何ですか?」のページ(2026年10月25日確認)には、次の7つが挙がっています。

  • 爆発性、発火性、その他の危険性のある物
  • 毒薬、劇薬、毒物および劇物
  • 生きた病原菌および生きた病原体を含有し、または生きた病原体が付着していると認められる物
  • 法令に基づき移動または頒布を禁止された物
  • 愛護動物(哺乳類・鳥類・爬虫類)
  • 複数の個人情報を含むもの
  • 現金(外貨を含む)

遺骨はこの一覧に含まれていません。ただし、このページには遺骨についての記載そのものがありません。品名の書き方や補償の扱いも含めて、送る前に郵便局の窓口で取り扱いを確認してください。

送骨の流れ

  1. 受け入れ先を選び、申し込む寺院・霊園に、送骨を受け付けているか、費用に何が含まれるかを確認します。
  2. 書類をそろえる自宅で保管していた遺骨なら、火葬のあとに返された火葬許可証を用意します。見つからないときは、火葬をした市区町村の窓口に相談してください。お墓から取り出した遺骨なら改葬許可証が必要です(墓じまいの進め方と手続き、改葬許可申請書の書き方)。
  3. 梱包する骨壺の固定や緩衝材、外箱の書き方は、受け入れ先の案内に従います。お墓に納めていた遺骨は、乾燥が必要かも確認します。
  4. 送る郵便局の窓口で発送し、追跡できる控えを保管しておきます。
  5. 納骨の報告を受け取る納骨証明書や、合祀した日の連絡が届くかを、申し込みの段階で確認しておきます。

送骨の料金を比べるときは?

送骨の料金は、受け入れ先によって違います。料金に含まれるものも、受け入れ先ごとに違います。料金は各寺院・霊園の公式案内で確認し、何が含まれているかを比べてください。

申し込み前に確認しておくこと

  • 費用に含まれるもの(納骨料、供養、梱包キット、送料、納骨証明書)と、追加費用が出る条件
  • すぐに合祀するのか、一定期間は個別に安置するのか
  • 合祀した後は取り出せないことを、家族・親族が了解しているか
  • 受け入れ先の寺院の所在地と、合祀墓の場所(お参りできるか)
  • 宗教法人として実在するか、問い合わせ先の電話がつながるか
  • 改葬の場合、改葬許可の申請に必要な書類(受入証明書など)を出してもらえるか

本山納骨はどこで受け入れている? 条件と納骨料

この章のポイント

  • 公式サイトで条件と納骨料を確かめられた5か所を比較
  • 永平寺は分骨のみ。身延山久遠寺も全骨は条件付き
  • 確かめた5か所は、いずれも遺骨の持参が前提

本山納骨は、宗派の本山(大本山・総本山)に遺骨を納める方法です。公式サイトで受け入れ条件と納骨料を確かめられた5か所を、カードにまとめました(2026年10月25日確認)。

大谷本廟(浄土真宗本願寺派・京都市東山区)

祖壇納骨:納骨・一座経 小型容器3万円以上、それより大きい場合5万円以上

  • 納骨・永代経:小型容器6万円以上、それより大きい場合8万円以上
  • 複数の遺骨を納めるときは、人数に応じた懇志が必要。改葬のときは「小型容器より大きい場合」の扱い
  • 納骨届の「所属寺院証明欄」に、所属寺の住職の署名・捺印が必要。所属寺がない人は大谷本廟に問い合わせ
  • 書類:一部を納めるときは納骨届、全部を納めるときは納骨届と火葬許可証、改葬のときは納骨届と改葬許可証
  • 故人名(俗名)がわからない場合は納骨できない
  • 返骨:納めた遺骨は返せない

出典:大谷本廟「祖壇納骨」

東本願寺(真宗大谷派・京都市)

大谷祖廟納骨:2万円以上の懇志金

  • 真宗本廟収骨:12万円以上の懇志金。教えを受け継ぐこと(法義相続)と本廟護持に賛同する門徒へのお扱い
  • 大谷祖廟では、ほかの方と同じ場所に納める。生前の納骨予約もできる
  • 真宗本廟に遺骨の一部を納め、残りを大谷祖廟に納めることもできる
  • 扱いは門徒や寺院の要望によって違うため、事前の問い合わせ・手続きが必要
  • 必要書類と改葬の遺骨の扱いは公式ページに記載なし。事前に問い合わせる
  • 受付:大谷祖廟事務所は毎日8:30〜17:00
  • 返骨:案内ページに、納めた遺骨は返せないとの記載

出典:東本願寺「収骨・納骨」

知恩院(浄土宗総本山・京都市東山区)

公式サイトに金額の記載なし(志納係 075-531-2113 に問い合わせ)

  • 納骨堂:地下の納骨室に合祀(予約不要)。寶佛殿:ロッカー式の個別の納骨(予約が必要)
  • 宗派:浄土宗のお勤めで供養することに納得すれば、どの宗派の人でも受け付ける
  • 戒名がなくても、俗名で納骨できる
  • 書類:全骨・胴骨を知恩院のみに納めるときは火葬許可証の原本、改葬のときは改葬許可証と墓地管理者の承諾
  • 遺骨は土を落とし、よく乾燥させてから持参する
  • 返骨:合祀した遺骨は返せない

出典:知恩院「ご納骨」

永平寺(曹洞宗大本山・福井県永平寺町)

納骨:一霊につき4万円以上(令和7年1月1日改定の恩金目安)

  • 分骨のみの受け付け
  • 事前の予約や連絡は不要。法要開始の40分前に来寺して申込書を出す(受付の締め切りは30分前)
  • 寂光苑納骨堂に合祀し、返骨はできない

出典:大本山永平寺「ご供養」

身延山久遠寺(日蓮宗総本山・山梨県身延町)

普通納骨:一霊位につき7万円

  • 五年納骨15万円、十年納骨30万円、二十年納骨40万円、五十年納骨(永代供養)60万円
  • 普通〜五十年納骨は、いずれも分骨(お墓があってそこから持ってくる遺骨の一部)
  • 全骨(五十年扱い・永代供養):200万円。全骨は原則として菩提寺がないこと、菩提寺がある場合は菩提寺の許可が条件。埋葬許可証と親族の承諾も必要
  • 改葬の遺骨の扱い(改葬許可証の要否を含む)は公式ページに記載なし。事前に問い合わせる
  • 普通納骨は、法要のあと御廟所の合同の供養塔に埋葬される
  • お骨・遺品とも、6cm四方の箱に収まるように準備する
  • 申込書は、来山の1週間前までに送る(書類はFAX・郵送でやりとり)
  • 返骨:公式ページに記載なし

出典:身延山久遠寺「納骨のご案内」

カードから読み取れる点は、次の3つです。

  • 「全部」を納められるとは限らない:永平寺は分骨のみで、身延山久遠寺も全骨には条件があります。墓じまいで取り出した遺骨をすべて納めたいなら、全骨や改葬の遺骨を受け付けるか、骨壺の大きさで納骨料が変わるかを確認します。
  • 宗派の条件は本山ごとに違う:知恩院は、浄土宗のお勤めで供養することに納得すれば宗派を問わないとしています。大谷本廟は所属寺院の証明欄があり、所属寺がない人は事前の問い合わせが必要です。
  • 持参が前提:確かめた5か所の公式ページには、遺骨を郵送で受け付ける案内はありませんでした(申込書類を郵送・FAXでやりとりする本山はあります)。受付時間と法要の予約の要否を確かめてから出かけます。

ここに挙げた5か所のほかにも、納骨を受け付けている本山があります。条件と納骨料は、各本山に確認してください。

公営の合葬墓に納めるには?

この章のポイント

  • 関西の3市は京都市2万円から、大阪市・神戸市1体5万円
  • 東京都立霊園は1体53,000円から。令和8年度の受付は終了
  • 神戸市は、市立墓園を返して改葬する人などは合葬施設の使用料が半額

自治体が運営する合葬墓や合葬式の納骨堂には、住所などの申込資格があります。関西の3市と東京都の例を挙げます。

京都市 深草墓園 納骨堂(永年納骨)

粉状の焼骨:市内2万円・市外4万円

  • その他の焼骨:市内5万円・市外10万円(いずれも単位の記載なし)
  • 申込資格:申請者または故人が京都市民・元京都市民で、申請者が祭祀主宰者であること
  • 合葬式のため、遺骨は返せない
  • 必要なもの:申請書、遺骨、火葬許可証または改葬許可証、住民票、本人確認書類など

出典:京都市「深草墓園 納骨堂 御案内」(令和8年5月)

大阪市 瓜破霊園 合葬式墓地

直接合葬:1体50,000円

  • 10年間保管後合葬:1体100,000円、20年間保管後合葬:1体150,000円
  • 大阪市居住者以外の人の使用料は1.5倍。生前に大阪市居住者だった方の遺骨を埋蔵する人、市設霊園の霊地を返還して改葬する人などに限られる
  • 申込は窓口または送付。納骨は予約制

出典:大阪市「令和8年度 大阪市設瓜破霊園内合葬式墓地の使用者を募集します」

神戸市 鵯越合葬墓 合葬施設

1体あたり50,000円

  • 申込資格:神戸市に引き続き6か月以上住民登録がある人、生前に神戸市民だった方の焼骨を持っている人、神戸市立墓園の墓地・納骨堂から改葬する人など
  • 減額:合葬施設の使用料が、申請により2分の1に減額される。対象は、市立墓園(条例墓地を含む)の墓地・納骨堂を返還(墓じまい)して改葬する人(墓地等の返還手続き(撤去工事を含む)を2027年3月末までに完了することが条件)と、生活保護を受けている人
  • 通年で受け付け、抽選なし。申請は郵便のみ
  • 遺骨は、予約した納骨日に持参する。合葬施設に納めた遺骨は返せない

出典:神戸市「鵯越合葬墓 合葬施設 使用者募集」(2026年3月25日更新)、「合葬式墓地(鵯越合葬墓)」、「2026年度 鵯越合葬墓 ご案内」

関西の3市の案内には、遺骨そのものを郵送で受け付けるという記載はありません。神戸市は、申請は郵便のみで受け付ける一方、遺骨は納骨日に持参するよう案内しています。

関西以外の例として、東京都立霊園の合葬埋蔵施設(合葬式墓地)も挙げます。

東京都立霊園 合葬埋蔵施設(令和8年度の募集)

使用料は1体あたり53,000円(八柱霊園・直接共同埋蔵)から131,000円(八柱霊園・一定期間後共同埋蔵)

  • 小平霊園2号基(直接共同埋蔵)は1体58,000円、多磨霊園(一定期間後共同埋蔵)は1体61,000円。年間管理料の記載はない
  • 直接共同埋蔵は、納骨のときにすぐ共同で埋蔵する。一定期間後共同埋蔵は、使用許可日から20年間個別に保管した後に共同で埋蔵する
  • 申込資格:申込者が都内(八柱霊園は千葉県松戸市も可)に3年以上続けて住んでいること(令和8年7月3日時点)。遺骨申込では、申込者がその遺骨の祭祀の主宰者であること
  • 令和8年度の受付は終了:受付は6月12日〜7月3日で、8月14日に抽選が行われた
  • 改葬の遺骨:お墓から取り出した遺骨(改葬の遺骨)を申し込めるかは、募集案内に記載がない(「申込遺骨は改葬遺骨でないこと」の注記は、一般埋蔵施設の区分だけに付いている)

出典:東京都「令和8年度 都立霊園の使用者を募集」(2026年5月25日)、「令和8年度 都立霊園公募受付状況と抽選会について」(2026年8月6日)、東京都公園協会「都立霊園をご希望の方へ」

次の募集の時期と、お墓から取り出した遺骨(改葬の遺骨)を申し込めるかは、都立霊園の申込みのしおりか、公益財団法人東京都公園協会 霊園課に確認してください(確認日:2026-10-25)。

公営墓地を返して同じ市の合葬墓に移すと、使用料が減額される市もあります(神戸市の例は上のカード)。一方、関西2府4県の111市のうち105市を2026年10月に調べたところ、墓じまいの費用そのものを補助する制度は見つかりませんでした。見つかったのは、公営墓地の「使用料の還付」と「合葬墓の減額」です(墓じまいの補助金は関西にある?)。故人やご自身の住所のある自治体にも合葬墓がないか、霊園の担当課に確認してみてください。

散骨・手元供養を選ぶなら、何に気をつける?

この章のポイント

  • まいた遺骨は戻せない。散骨を条例で規制する市町村もある
  • 手元供養は、保管する人がいなくなった後を決めておく

散骨

まいた遺骨は戻せません。お参りの場所を残したいなら、一部を合葬墓や手元に残す方法があります。

散骨を条例で規制している市町村もあります。地方自治研究機構の一覧(令和4年9月6日時点)には15市町村が挙がっています。その後に条例ができたり改正されたりしている可能性があるため、散骨する場所の市町村に確認してください。たとえば、この一覧の後に神奈川県三浦市が「三浦市散骨場の経営等の許可等に関する条例」(令和7年1月22日条例第1号、令和7年1月27日施行)を定め、市内で散骨場を経営するには事前に市長の許可が必要としています(第4条)。第21条には5万円以下の過料の定めがあります。

厚生労働省の見解として、散骨・自宅安置は改葬許可が不要とされています(総務省東北管区行政評価局の資料)。ただし東京都は、散骨のためにお墓から遺骨を取り出す場合は区市町村により取扱いが異なるとしています。

たとえば三浦市は、条例の制定についての案内で「すでにお墓に埋葬しているご遺骨を取り出して散骨する場合は、改葬許可申請が必要です。」としています。

散骨の方式の違いは散骨とはで、費用の内訳は散骨の費用相場で解説しています。

手元供養

東京都保健医療局は、墓埋法では、自宅での焼骨の保管については特に規定はない、としています。

ただし、手元供養には、行き先を決めることを先送りにする面もあります。保管する人が亡くなった後に誰が引き継ぐか、引き継げない場合はどこに納めるかを、家族で決めておくと困りません。

引き取り手がいない遺骨は、どう扱われる?

この章のポイント

  • 火葬する人がいないときは、死亡地の市町村長が火葬する
  • その後の遺骨の扱いは、法令に規定がないと総務省が指摘
  • 令和3年10月末時点で、回答した市区町村が約6万柱を保管

親族がいない、または親族が引き取らない遺骨は、市区町村が火葬などを行い、保管していることがあります。

法律の定め:墓埋法9条

墓埋法9条は、次のように定めています。

死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、死亡地の市町村長が、これを行わなければならない。(1項)

前項の規定により埋葬又は火葬を行つたときは、その費用に関しては、行旅病人及び行旅死亡人取扱法(明治三十二年法律第九十三号)の規定を準用する。(2項)

総務省の「遺留金等に関する実態調査」の結果報告書(令和5年3月)は、行旅病人及行旅死亡人取扱法(行旅法)・墓埋法・生活保護法に基づいて市区町村が葬祭を行った遺骨の保管状況を調べています。

同じ報告書は、行旅法と墓埋法に基づいて市区町村が葬祭を行った場合の遺骨の扱いについて、法令上の規定はないと指摘しています。

自治体はどのくらいの遺骨を保管している?

同じ報告書によると、令和3年10月末日の時点で、回答した市区町村が保管していた遺骨の数は次のとおりです。

行旅法

6,055柱

回答した510市区町村のうち、保管しているのは303市区町村

墓埋法

19,331柱

回答した449市区町村のうち、保管しているのは300市区町村

生活保護法

34,462柱

回答した353市区町村のうち、保管しているのは219市区町村

※3つを合わせると約6万柱です。回答した市区町村の数は法律ごとに違い、すべての市区町村を集計した数字ではありません。

保管場所は、市区町村営の墓地・納骨堂・斎場のほか、執務室内のキャビネットや倉庫、寺院などの宗教施設への依頼などの例があったと報告されています。

一定の期間が過ぎたら骨壺から取り出して合葬する市区町村や、海洋散骨を取り入れた市区町村がある一方で、遺族が引き取りに来る可能性を考えて合葬できないとする市区町村もある、とされています。

自治体の対応の例:大阪市

大阪市は「大阪市立斎場保管遺骨取扱要綱」で、市立斎場で火葬し、引き取る人がいない遺骨の扱いを定めています。

  • 火葬した日から1年が過ぎた後の最初の8月31日までに引き取る人がいないときは、斎場が遺骨を整理し、火葬許可証とともに大阪市設南霊園に引き継ぐ
  • 毎年9月の中旬に慰霊祭を行ったうえで、南霊園内の無縁堂に合同で埋蔵する
  • 遺骨の引き取りは原則として親族とし、身分を確認したうえで引き渡す

役所から「遺骨を引き取ってほしい」と連絡が来たら

疎遠だった親族が亡くなり、自治体から遺骨の引き取りについて連絡が来ることがあります。総務省の報告書は、遺骨は民法897条に基づく祭祀を主宰すべき者に帰属するとした最高裁判所の判決(平成元年)に触れています。そのうえで、親族への引き取りの意思確認について統一の基準がなく判断に困る、という市区町村の声を紹介しています。

引き取る場合は、この記事で比べた行き先から選べます。費用の負担や相続との関係が気になるときは、まず連絡をくれた自治体の担当課に確認してください。

専門家への相談

遺骨を誰が引き取るか、相続とどう関係するかは、家族の事情によって判断が分かれることがあります。最終的な判断は、弁護士・司法書士などに相談してください。

迷ったときは、どこに相談する?

相談したいこと相談先
公営の合葬墓の条件・申し込み方法自治体の霊園担当課、霊園の管理事務所
本山納骨の条件・納骨料各本山の受付、所属するお寺(手次寺・菩提寺)
送骨の費用・梱包、ゆうパックでの送り方受け入れ先の寺院・霊園(複数を比べる)、郵便局の窓口
お墓から出すときの改葬許可お墓がある市区町村の窓口
遺骨の引き取り・親族間の意見の違い・相続との関係自治体の担当課、弁護士・司法書士
送骨や永代供養の契約トラブル消費生活センター(消費者ホットライン188)

遺骨の扱いは、法律の解釈や家族の事情によって判断が分かれることがあります。最終的な判断は、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家に相談してください。

墓じまいとあわせて考えている方は、墓じまいの進め方と手続きもご覧ください。

よくある質問

Q1. 遺骨を処分してくれる業者はありますか?

「処分」という形で遺骨を引き取るのではなく、送骨で寺院の合祀墓に納める、散骨業者に散骨を委託する、といったサービスがあります。

いずれも、納めた先やまいた場所の記録(納骨証明書・散骨証明書など)を受け取れるかを確認してから申し込むと安心です。

Q2. お墓に入っていた遺骨も、送骨や本山納骨で納められますか?

受け入れ先が改葬に対応していれば、納められる場合があります。その場合は、お墓がある市区町村で改葬許可を受け、改葬許可証を受け入れ先に出します。たとえば大谷本廟と知恩院は、改葬の遺骨を受け付け、改葬許可証を求めています(知恩院は墓地管理者の承諾も)。

また知恩院は、遺骨の土を落とし、よく乾燥させてから持参するよう案内しています。送骨の場合も、乾燥が必要かを受け入れ先に相談してください。

Q3. 遺骨の一部だけを本山に納めたら、残りはどうすればいいですか?

残りは、今のお墓にそのまま納めておく、公営の合葬墓や永代供養墓に納める、手元供養にする、といった方法があります。

永平寺のように分骨のみを受け付ける本山もあるため、残りの行き先もあわせて家族で決めておくと、後で迷いません。

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執筆・編集:しまい支度編集部(編集方針)

最終確認日:2026年10月25日