※2026年10月時点の情報です。
この記事では、親の家を片付け、家の行き先を決めるまでの作業を「実家じまい」と呼びます。
結論:実家じまいは、何から始めればいい?
実家じまいは、次の4つのステップの順で進めると、手戻りを減らせます。
- 話し合う:親の希望を聞き、きょうだいで役割と費用の分け方を決める
- 名義と書類を確かめる:家と土地の名義、ローン、固定資産税、保険、遺言の有無
- 片付ける:貴重品を探す→残す物を分ける→処分する
- 家の行き先を決める:売る/貸す/解体する/国に引き取ってもらう
相続が起きている場合は、相続放棄は3か月以内、準確定申告は4か月以内、相続税の申告は10か月以内、相続登記は3年以内という期限があります。数え始めは手続きごとに違います(後述)。
親が元気なうちなら法律上の期限はないため、1と2から少しずつ始められます。
この記事の目次
4つのステップは、いつ・誰と進める?12か月の工程表
この章のポイント
- 話し合い→名義と書類→片付け→家の行き先の順
- 相続後は3か月・4か月・10か月・3年の期限が軸
- 空き家の売却特例は売却の期限を先に確かめる
順番を入れ替えると、やり直しになることがあります。たとえば、名義を確かめずに片付けを始め、あとで売れない事情が見つかる場合です。
1. 話し合う
親の希望を聞く。きょうだいで役割と費用の分け方を決める
- 主に相談する相手:親、きょうだい
- 期限・目安:期限なし。相続が起きたら早めに
2. 名義と書類を確かめる
家と土地の名義、ローン、固定資産税、保険、遺言の有無を確かめる
- 主に相談する相手:法務局、市町村、司法書士
- 期限・目安:相続放棄は3か月、準確定申告は4か月、相続税の申告は10か月、相続登記は3年
3. 片付ける
貴重品を探す→残す物を分ける→処分する
- 主に相談する相手:家族、遺品整理業者、市町村
- 期限・目安:家の行き先の手続きの前に
4. 家の行き先を決める
売る/貸す/解体する/国に引き取ってもらう(相続土地国庫帰属制度)
- 主に相談する相手:不動産会社、解体業者、法務局
- 期限・目安:空き家の売却特例を使うなら、2027年12月31日までで、かつ相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る(2026年10月時点)
12か月で進める場合の工程表(相続が起きた場合の例)
親が亡くなった月を「0か月目」とした例です。法律で決まった期限を軸に組んでいます。
片付けや売却にかかる期間は、家の広さ、物の量、地域、きょうだいの住まいの距離で変わります。下の工程表は一つの例です。
- 0〜1か月目葬儀のあと、きょうだいで今後の進め方を話します。遺言書の有無を確かめ、預金・借入・不動産など財産の全体を調べ始めます。相続放棄の判断に、財産と借金の全体像が必要なためです。
- 〜3か月目相続するか、相続放棄するかを決めます。放棄を考えている間は、家財の処分や売却に手をつけません。相続放棄は「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内」に家庭裁判所へ申述します(裁判所)。
- 〜4か月目必要な人は、亡くなった年の所得の申告(準確定申告)をします。期限は「相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内」です(国税庁 No.2022)。
- 2〜6か月目遺産分割を話し合い、戸籍や登記事項証明書を集めます。片付けを始め、業者の見積もりを取ります。仏壇とお墓の方針もこの頃に決めます。相続税の申告期限(10か月)から逆算して、遺産分割をこの時期に置いた例です。
- 〜10か月目対象になる人は、相続税の申告と納付をします。期限は、亡くなったことを知った日(通常は死亡の日)の翌日から10か月以内です(国税庁 No.4205)。
- 6〜12か月目相続登記を申請し、家の行き先を決めます。査定・解体の見積もり・国庫帰属の相談を進めます。相続登記は、相続の開始と不動産の取得を知った日から3年以内の申請が義務です(法務省)。売却の手続きの前に、相続人への名義変更(相続登記)を済ませておきます。
- 〜3年後の年末(現行は2027年12月31日まで)空き家の売却特例を使う場合は、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ります(国税庁 No.3306)。たとえば2026年3月の相続なら本来は2029年12月31日までですが、特例の対象は2027年12月31日までの売却のため、現行の期限では2027年12月31日までに売る必要があります(2026年10月時点)。
親が元気なうちに始める場合は、法律上の期限はありません。ステップ1と2を先に進め、片付けは親と一緒に少しずつ進める方法があります。
期限や特例の要件の当てはめは、家ごとに事情が異なります。最終的な判断は、税理士・司法書士などに相談してください。
親が元気なうちに、何を確かめておけばいい?
この章のポイント
- 書類は置き場所だけでも聞いておく
- 担保が残る土地は国庫帰属の申請ができない
- 家・仏壇・お墓の希望も聞いておく
相続が起きてから書類を探すと、時間がかかります。親の家が遠方にある場合は、帰省のたびに少しずつ探すことになります。
次の5つは、親が元気なうちに置き場所だけでも聞いておくと、あとの手続きを進めやすくなります。
権利証(登記済証)または登記識別情報通知
家と土地の名義を確かめる
- どこにあるか:親の手元。登記の内容は、法務局で登記事項証明書を取って確かめられる
- 何がわかるか:名義、共有者の有無、土地が何筆あるか
固定資産税の納税通知書
課税されている土地・建物の一覧になる
- どこにあるか:毎年、市町村から届く
- 何に使うか:相続登記の登録免許税は、固定資産課税台帳に登録された価格をもとに計算する
住宅ローン・借入の書類
担保(抵当権)が残っているかを確かめる
- どこにあるか:親の手元、金融機関
- 何に使うか:担保権が設定されている土地は、相続土地国庫帰属制度の申請ができない
保険の証券(火災保険・生命保険)
空き家になった後の火災保険を確かめる
- どこにあるか:親の手元、保険会社
- 何に使うか:空き家になった後も続けられるかを、保険会社に確かめる
貴重品の場所
片付けの前に探す物のリストになる
- 例:通帳、印鑑、年金の書類、貸金庫、遺言書、お墓の使用許可証
あわせて、親自身の希望も聞いておきます。あとで判断に迷わないよう、次の3点は早めに確かめておくと安心です。
- 家は残してほしいか
- 仏壇はどうしたいか
- お墓は誰が守るか
名義や共有の状態に気になる点がある場合、最終的な判断は司法書士などの専門家に相談してください。
話をどう切り出せばいい?(例文)
「死んだら」「相続」という言葉から始めると、話が進みにくくなることがあります。自分の側の事情や、身近なきっかけから入る方法もあります。
自分の話から入る
「うちも子どもの進学で物が増えて、片付けを考えてるんだ。お父さんたちは、家の物で残しておきたい物ってある?」
帰省や季節の行事に合わせる
「お盆に来たとき、2階の押し入れを一緒に見てもいい?使わない物があったら、持って帰れる物は持って帰るよ」
制度の話をきっかけにする
「2024年から相続登記が義務になったんだって。この家の名義って、おじいちゃんのままになってない?権利証ってどこにある?」
親の希望を聞く形にする
「もし入院したときに、通帳や保険の場所がわからないと困るから、メモにして置いてくれると助かる」
一度で全部聞こうとせず、帰省のたびに一つずつ確かめる方法もあります。聞いた内容は、きょうだいで共有できるメモに残しておきます。
相続が起きている場合、期限があるのはどの手続き?
この章のポイント
- 相続放棄3か月、準確定申告4か月、相続税10か月
- 相続登記は3年以内。過去の相続は2027年3月31日まで
- 放棄を考えるなら、家財の処分は相談の後に
相続が起きている場合は、次の手続きに期限があります。期限は法律で決まっていて、過ぎると選べなくなる手続きもあります。
相続放棄
3か月以内
- 数え始め:自己のために相続の開始があったことを知ったとき
- 窓口:亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所
- 費用:収入印紙800円分(申述人1人につき)と連絡用の郵便切手(郵便料は裁判所ごとに異なる)
- 期間内に判断できない場合:家庭裁判所に期間の伸長を申し立てられる
準確定申告
4か月以内
- 数え始め:相続の開始があったことを知った日の翌日
- 窓口:税務署
- 対象:亡くなった人に申告が必要な所得があった場合
相続税の申告・納付
10か月以内
- 数え始め:亡くなったことを知った日(通常は死亡の日)の翌日
- 窓口:税務署
- 対象:遺産が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合
相続登記の申請
3年以内
- 数え始め:相続の開始を知り、かつ、不動産の所有権を取得したことを知った日
- 窓口:法務局
- 2024年4月1日から義務化。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象
相続放棄を考えているなら、片付けの前に相談します
ここに注意
民法921条(法定単純承認)は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなすと定めています(保存行為などは除かれます)。
家財を売ったり捨てたりすると、相続放棄ができなくなるおそれがあります。借金がありそうな場合や、放棄を少しでも考えている場合は、片付けを始める前に弁護士・司法書士に相談してください。
相続登記は、2024年4月より前の相続も対象です
相続登記の義務化は、2024年4月1日より前に起きた相続も対象です。まだ登記をしていない場合の期限は、2027年3月31日までです(不動産を相続で取得したことを知った日が2024年4月以降なら、その日から3年以内)。
遺産分割の話し合いがまとまらず、期限に間に合いそうにない場合は「相続人申告登記」という仕組みがあります。法務省は、相続人が申請義務を簡易に果たせるように設けた登記だとしています。
ただし、遺産分割が成立したら、その日から3年以内に、分割の内容を踏まえた登記を申請する義務があります。
税金や登記の扱いは家ごとに事情が異なります。最終的な判断は、税理士・司法書士・弁護士などに相談してください。
片付けは、どこまで自分でやり、どこから業者に頼む?
この章のポイント
- 書類探しと思い出の品分けは家族で
- 量が多い・帰省が限られるなら業者も検討
- 見積もりは複数社。キャンセル料も確かめる
片付けは「家族にしかできない作業」と「量と体力が要る作業」に分けて考えると、業者に頼む範囲を決めやすくなります。
貴重品・書類を探す(通帳、権利証、遺言書など)
家族で行う
写真・手紙など思い出の品を分ける
家族で行う
衣類・日用品をごみに出す
- 自分たちで:市区町村の分別ルールで出せる量なら
- 業者に頼む場面:量が多い、帰省の回数が限られる場合
大型の家具・家電を運び出す
- 自分たちで:市区町村の粗大ごみで出せる物もある
- 業者に頼む場面:2階からの搬出、量が多い場合
家1軒分をまとめて空にする
遺品整理業者に頼む
売れる物を買い取ってもらう
- 自分たちで:自分で売ることもできる
- 業者に頼む場面:買取に対応する業者に頼む
遠方に住んでいる場合は、帰省の交通費と日数も費用に含めて考えます。自分たちで何度も通う費用と、業者にまとめて頼む費用を比べると、判断しやすくなります。
業者を選ぶ前に知っておきたいトラブル
国民生活センターが2018年7月に公表した資料では、遺品整理サービスについての相談は、2013年度が73件、2017年度が105件でした(2016年度は114件)。少し前の資料ですが、紹介されている事例は次のとおりです。
- 見積もりのときにせかされて契約したが、作業が始まらないので解約したい
- 解約を申し出たら、高額なキャンセル料を請求された
- 作業時に予定外の料金を請求され、最終的に見積金額の2倍の費用を請求された
- 処分しないように頼んだ物を、勝手に処分された
業者を選ぶ前に
同センターは、消費者へのアドバイスとして次の点を挙げています。
- 複数社から見積もりを取るなど、事業者を慎重に選ぶ
- 作業内容や費用を明確に出してもらい、見積書の内容を十分に確かめる
- 料金やキャンセル料、具体的な作業内容を事前に確かめる
- 残しておく遺品と処分する遺品を、明確に分けておく
- トラブルになったら、消費生活センターに相談する
間取りごとの費用の目安や、費用を抑える方法は、遺品整理の費用相場でまとめています。業者を比べるときのチェック項目は、遺品整理業者の選び方でチェック表にしています。
仏壇とお墓は、いつ、どう考える?
この章のポイント
- 仏壇は、家の行き先を決める前に方針を
- お墓は家とは別の手続きで進められる
- 関西105市の調査で、墓じまい費用そのものの補助は見つからず
仏壇は家の中にあるため、家の行き先を決める前に方針を決めておく必要があります。引き取るのか、処分するのか、供養をしてから処分するのかを、親やきょうだいと話しておきます。処分の方法と費用は仏壇の処分方法と費用で整理しています。
お墓は、家とは別の手続きです。遺骨を別の墓地や納骨堂へ移す(改葬する)場合は、遺骨がいまある市区町村の許可(改葬許可)が必要です(墓地、埋葬等に関する法律5条)。家の行き先とは別に、時期を決めて進められます。
手順は墓じまいの進め方と手続きに、費用の内訳は墓じまいの費用相場と内訳にまとめています。
なお、関西2府4県の111市のうち105市を2026年10月に調べたところ、墓じまいの費用そのものを補助する制度は見つかりませんでした。あるのは、公営墓地を返すときの「使用料の還付」や「合葬墓の減額」です。詳しくは墓じまいの補助金は関西にある?をご覧ください。
実家の行き先は4つ。どれを選べばいい?
この章のポイント
- 売る・貸す・解体する・国に引き取ってもらう
- 空き家の売却特例は2027年12月31日までの売却
- 国庫帰属は、建物がある土地では申請できない
片付けが終わったら、家をどうするかを決めます。選択肢は大きく4つです。
売る
誰も住む予定がなく、買い手がつきそうな立地
- 主な費用:仲介手数料、相続登記、譲渡所得の税金
- 空き家の売却特例:条件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる。2024年1月1日以後の売却で、家屋と敷地を相続した相続人が3人以上なら2,000万円まで
- 対象期間:2027年12月31日までの売却で、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
貸す
将来、家族が使う可能性がある。賃貸の需要がある地域
- 主な費用:修繕・リフォーム、管理委託
- 注意:貸すと、空き家の売却特例は使えなくなる(相続の時から売却の時まで、事業・貸付け・居住に使っていないことが要件)
解体する
建物が古く、売るにも貸すにも使いにくい
- 主な費用:解体費、家財の処分費
- 注意:住宅用地特例は、1月1日時点で住宅の敷地として使われている土地が対象。解体して更地にすると対象から外れ、土地の固定資産税が上がる場合がある(秋田市の案内)
- 解体の補助制度があるかは、所在地の市区町村に確かめる
国に引き取ってもらう(相続土地国庫帰属制度)
売れず、管理も続けられない土地
- 申請できる人:相続または相続人への遺贈で土地を取得した人
- 審査手数料:土地1筆につき14,000円(取下げ・却下・不承認でも返還されない)
- 負担金:宅地は面積にかかわらず20万円。ただし、都市計画法の市街化区域または用途地域が指定されている地域の宅地は、面積に応じて算定
- 申請できない土地:建物がある土地、担保権や使用収益権が設定されている土地、他人の利用が予定されている土地、土壌汚染されている土地、境界が明らかでない土地・所有権の存否や範囲について争いがある土地
迷ったときは、まず売却の査定を取ると、ほかの選択肢と比べやすくなります。国庫帰属を考える場合は、解体費・審査手数料・負担金を合わせて、売却や解体と比べます。
売却の税金や特例の要件、登記の扱いは家ごとに事情が異なります。最終的な判断は、税理士・司法書士などに相談してください。国庫帰属の相談は、法務局で受け付けています。
空き家のまま置いておくと、何が起きる?
この章のポイント
- 勧告を受けると住宅用地特例が外れる
- 「管理不全空家」の段階から勧告の対象
- 京都市は2030年度から新しい税を予定
「管理不全空家」として勧告を受けると、固定資産税の減額がなくなります
2023年12月13日に施行された空家等対策特別措置法(空家法)の改正で、「管理不全空家」という区分ができました。
管理不全空家
放置すれば特定空家になるおそれのある空き家
市町村の対応:指導→勧告
特定空家
周囲に著しい悪影響を及ぼす空き家
市町村の対応:助言・指導、勧告、命令、代執行
住宅用地特例は、住宅が建っている土地の固定資産税を軽くする仕組みです。国土交通省の資料では、200㎡以下の部分は6分の1に、200㎡を超える部分は3分の1に減額されます。管理不全空家・特定空家のどちらも、勧告を受けるとこの減額がなくなります。
当たるかどうかは、国土交通省の指針が示す「保安上危険」「衛生上有害」「景観悪化」「周辺の生活環境への影響」の観点の参考基準で判断されます。指導や勧告をするのは市町村長のため、実家のある市町村の空き家対策の窓口で確かめてください。
空き家は全国で900万戸を超えています
総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、2023年10月1日時点の空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%で、いずれも過去最多・過去最高です。賃貸用・売却用や、別荘などの二次的住宅を除いた空き家は385万6千戸(総住宅数の5.9%)です。
京都市は、空き家などへの新しい税金を予定しています
京都市は、市街化区域にある「非居住住宅」(その所在地に住所を有する者がいない住宅)の所有者に課す「非居住住宅利活用促進税」を、2030年度(令和12年度)から始める予定です(システム開発の影響で令和11年度から1年延期。2026年8月21日更新の京都市のページによる)。
家屋の固定資産評価額が30万円未満(導入当初5年間は100万円未満)の住宅は課税されず、転勤・海外赴任(5年間に限る)や入院・介護施設への入所などは、申請により減免の対象です。実家が京都市内にある場合は、京都市の案内で最新の情報を確かめてください。
空き家への措置や税金の扱いは、家ごとに事情が異なります。最終的な判断は、市町村の窓口や税理士・弁護士などに相談してください。
実家じまいの費用はどれくらいかかる?
この章のポイント
- 相続登記の登録免許税は不動産の価額×0.4%
- 相続放棄は収入印紙800円分+郵便切手
- 片付け・解体は見積もりで確かめる
費用は、家の広さ、物の量、建物の構造、選ぶ行き先によって変わります。ここでは、公的な資料で確かめられた金額だけを載せ、金額を示せない項目は確かめ方を書いています。
相続登記の登録免許税
不動産の価額×0.4%
「不動産の価額」は、固定資産課税台帳に登録された価格がある場合は原則その価格。計算例:1,000万円なら4万円/出典:国税庁 No.7191
相続登記の登録免許税の免税(2027年3月31日まで)
- 不動産の価額が100万円以下の土地の相続登記
- 相続で土地を取得した人が、登記をしないまま亡くなった場合の、その人を名義人にする登記
出典:国税庁 No.7191
司法書士の報酬(相続登記を頼む場合)
事務所ごとに異なる
依頼する前に見積もりを取って確かめる
相続放棄の申述
収入印紙800円分(申述人1人につき)+連絡用の郵便切手
郵便料は裁判所ごとに異なる/出典:裁判所
解体
構造・延床面積・立地で変わる
自治体の試算ツールや、複数社の見積もりで確かめる(下記)
相続土地国庫帰属制度
- 審査手数料:土地1筆につき14,000円
- 負担金:宅地は面積にかかわらず20万円(市街化区域または用途地域が指定されている地域の宅地は、面積に応じて算定)
出典:法務省
解体費は、自治体の試算ツールで目安を見られる場合があります
たとえば神戸市は、株式会社クラッソーネと事業連携協定を結び、解体費用のシミュレーターを紹介しています。過去の解体費用のデータに基づいて、一般的な費用を算出するものです。
同じページで紹介している「すまいの終活ナビ」では、解体費用に加えて、土地の売却査定価格の概算も知ることができます。
神戸市のページでは、次の費用は試算に含まれないとしています。見積もりのときに、別にかかるかどうかを確かめてください。
- 外構工事の費用(石積み、車庫、フェンスなどの撤去)
- 隣の家の壁の補修
- アスベストの除去
- 前面道路との高低差などで機材の搬入が難しいなど、通常の解体作業と異なる場合の割増
相続税がかかるかどうかは、基礎控除額で確かめます
相続税の申告が必要になるのは、遺産が基礎控除額を超える場合です。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。たとえば、法定相続人が3人なら4,800万円です。
実家の評価額や預金を足して、この額を超えそうな場合は、早めに税理士に相談してください。登録免許税や登記の最終的な判断は、司法書士に相談できます。
相談先はどこ?
| 相談したいこと | 相談先 |
|---|---|
| 相続放棄 | 家庭裁判所、弁護士、司法書士 |
| 相続登記、相続人申告登記 | 法務局、司法書士 |
| 相続税、準確定申告、空き家の売却特例 | 税務署、税理士 |
| 相続土地国庫帰属制度 | 法務局 |
| 管理不全空家、解体の補助、空き家バンク | 実家のある市町村の空き家対策の窓口 |
| 墓じまい(改葬許可) | お墓のある市区町村 |
| 遺品整理の契約トラブル | 消費生活センター |
| 売却・賃貸の査定 | 不動産会社 |
よくある質問
Q1. 片付けから売却まで、どれくらいの期間を見ておけばいいですか?
家の広さ、物の量、売るか解体するかによって変わるため、この記事では一律の目安は示していません。相続が起きている場合は、相続放棄(3か月)、準確定申告(4か月)、相続税の申告(10か月)、相続登記(3年)の期限から逆算して予定を組みます。
空き家の売却特例を使うなら、売却の期限(相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで。特例そのものは2027年12月31日までの売却が対象)も先に確かめておきます。最終的な判断は、税理士・司法書士などに相談してください。
Q2. 親が元気なうちに、実家を売ったり片付けたりしてもいいですか?
進められます。親が元気なうちは法律上の期限がないため、話し合いと書類の確認、少しずつの片付けに時間をかけられます。
家を売る場合は、名義人である親本人が売り主として手続きをします。親の意思を確かめたうえで進め、最終的な判断は司法書士や不動産会社などに相談してください。
Q3. 空き家の売却特例は、どんな家でも使えますか?
使えない家もあります。国税庁の案内では、主な要件として次のようなものがあります。
- 昭和56年5月31日以前に建てられた家であること
- 売却代金が1億円以下であること
- 相続の時から売却の時まで、事業・貸付け・居住に使っていないこと
- 売るときに耐震基準を満たしていない場合は、売却した年の翌年2月15日までに耐震基準を満たすか、家を取り壊すこと
ほかにも要件があります。最終的な判断は、税理士や税務署に相談してください。
出典
- 裁判所「相続の放棄の申述」(確認日:2026-10-25)
- e-Gov法令検索「民法」(第915条・第921条)(確認日:2026-10-25)
- e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」(第5条)(確認日:2026-10-25)
- 国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」(令和8年4月1日現在法令等)(確認日:2026-10-25)
- 国税庁「No.4152 相続税の計算」(令和8年4月1日現在法令等)(確認日:2026-10-25)
- 国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」(令和8年4月1日現在法令等)(確認日:2026-10-25)
- 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(令和8年4月1日現在法令等)(確認日:2026-10-25)
- 国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」(令和8年4月1日現在法令等)(確認日:2026-10-25)
- 法務省「相続登記の申請義務化について」(令和8年4月1日更新)(確認日:2026-10-25)
- 法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」(確認日:2026-10-25)
- 法務省「相続土地国庫帰属制度の負担金」(確認日:2026-10-25)
- 法務省 相続土地国庫帰属制度の資料(負担金の区分、PDF)(確認日:2026-10-25)
- 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」(2026年9月3日更新)(確認日:2026-10-25)
- 国土交通省 住宅局「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律の施行について」(令和5年10月、近畿地方整備局掲載、PDF)(確認日:2026-10-25)
- 国土交通省「管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針」の概要(PDF)(確認日:2026-10-25)
- 秋田市「昨年、古い住宅を取り壊し駐車場にしましたが、固定資産税が昨年度よりも高くなったのはなぜでしょうか?」(よくある質問、2018年6月15日更新)(確認日:2026-10-25)
- 国土交通省 住宅局「空き家対策推進のための郵便事業との連携拡大について」(令和5年10月4日、総務省掲載、PDF)(確認日:2026-10-25)
- 総務省統計局「明日への統計2026」住宅・世帯のすがた(令和5年住宅・土地統計調査、PDF)(確認日:2026-10-25)
- 京都市「非居住住宅利活用促進税について<令和12年度課税開始予定>」(2026年8月21日更新)(確認日:2026-10-25)
- 神戸市 解体費用シミュレーターの案内(2026年3月16日更新)(確認日:2026-10-25)
- 国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月19日公表)(確認日:2026-10-25)
