実家の片付けはどこから?捨てない親との話し方と場所の順番

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実家の片付けはどこから始めるか(床・通路と火の周りから進める順番と、捨てない親との話し方)

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※2026年10月時点の情報です。

結論:実家の片付けは、どこから始めればいい?

この記事では、始める前に次の3つを決めておくことをすすめます。

  1. いつの片付けか:親が元気なうちに親と進めるのか、親が亡くなったあとに相続人で進めるのか。手放すかどうかを決める人も、最初の作業も変わります。
  2. どこからか:親が元気なうちは「床と通路」→「火の周り」→「親がふだん使わない場所(物置・押入れ・2階)」の順をすすめます。亡くなったあとは、通帳や権利証などの貴重品と書類を探すところから始めます。
  3. どう手放すか:家庭ごみ・粗大ごみ・家電リサイクル・買取・寄付(譲渡)を、物ごとに振り分けます。

床と火の周りを先にするよう、この記事がすすめる根拠にしたのは、次の公的なデータです。東京消防庁管内では、2024年に「ころぶ」事故で救急搬送された65歳以上が73,500人でした。そのうち42,180人が住宅等居住場所での事故で、9割以上が屋内です。

全国の住宅火災の死者(放火自殺者等を除く)は2024年に1,030人で、そのうち65歳以上が779人(75.6%)でした(令和7年版消防白書)。

この記事の目次
  1. 親が元気なうちと、亡くなったあとでは、進め方の何が違う?
  2. 「捨てない親」とは、何から話せばいい?
  3. 実家の片付けは、どこから、どの順番で進める?
  4. 1日の作業量は、どう決める?
  5. 粗大ごみ・家電リサイクル・買取・寄付は、どう使い分ける?
  6. 遠方に住んでいる場合は、どう計画を立てる?
  7. 業者や相談先は、どう選べばいい?
  8. よくある質問
  9. 出典

この記事の書き方

出典を添えた数字・法律・自治体のルールは、公的機関などの資料で確かめた内容です。

場所の順番、声かけの例、1日の作業量の決め方、帰省の回数ごとの計画は、それらの資料をもとにした編集部の提案です。本文では「この記事では〜をすすめます」と書き分けています。

親が元気なうちと、亡くなったあとでは、進め方の何が違う?

この章のポイント

  • 元気なうちは親が決め、安全に関わる場所から
  • 亡くなったあとは、貴重品と書類を探すのが先
  • 相続放棄を考えるなら、処分の前に専門家へ

この記事は主に、親が元気なうちの片付けを扱います。2つの場面で、決める人と最初の作業が変わります。

親が元気なうち(生前の片付け)

親が安全に暮らし続けられる家にする

  • 手放すかどうかを決める人:親本人
  • 最初にやること:床・通路・火の周りなど、安全に関わる場所を片付ける
  • 進むペース:親の体力と気持ちに合わせて、少しずつ
  • とくに注意すること:親の了解なしに捨てない

親が亡くなったあと(遺品整理)

家を空にして、売却・解体などに備える

  • 手放すかどうかを決める人:相続人(きょうだいなど)が話し合って決める
  • 最初にやること:通帳・印鑑・権利証・保険証券・遺言書などを探す
  • 進むペース:家の行き先や、相続の手続きの期限に合わせて
  • とくに注意すること:相続放棄を考えているなら、処分する前に専門家へ相談する

親が亡くなったあとの片付けは、手続きの順番を先に確かめる

相続放棄を考えている場合

民法第921条では、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなすと定めています(保存行為などは除く)。

家財を売ったり捨てたりすると、相続放棄ができなくなるおそれがあります。借金がありそうな場合など、相続放棄を少しでも考えているときは、片付けを始める前に相談してください。

亡くなったあとの片付けは、相続の手続きや家の行き先と切り離せません。期限のある手続きと全体の順番は実家じまいは何から始める?で、業者に頼む場合の費用の目安は遺品整理の費用相場で整理しています。

相続放棄や遺産の扱いは、家ごとに事情が異なります。最終的な判断は、司法書士・弁護士などに相談してください。

「捨てない親」とは、何から話せばいい?

この章のポイント

  • 入り口は「安全の話」と「大事な物の話」
  • 住宅内の転倒は居室・寝室が最多(東京消防庁)
  • 物が増え続けるなら地域包括支援センターへ

親が物を手放さない理由は、まだ使える、思い出がある、口を出されたくないなど、人によって違います。

この記事では、「捨てるかどうか」から話し始めるのではなく、「安全の話」と「親が大事にしている物の話」から入ることをすすめます。どちらも、捨てる物ではなく、守りたい暮らしや物から話す方法です。

転倒と火事の話から入る

東京消防庁の救急搬送データ(東京消防庁管内、2024年)では、65歳以上が住宅等居住場所で「ころぶ」事故にあった場所は、次のとおりでした。

「ころぶ」事故が起きた場所救急搬送された65歳以上の人数(2024年)
居室・寝室等29,783人
玄関・勝手口等3,900人
廊下・縁側・通路2,653人
トイレ・洗面所1,229人
台所・調理場・ダイニング・食堂1,079人

最も多いのは、ふだん過ごしている居室・寝室です。同じデータでは、「落ちる」事故の関連器物の1位は階段(4,240人)でした。

この記事では、床に置いた物や電気コード、階段に置いた物を、片付けの最初の対象にすることをすすめます。話すときは「片付けて」ではなく、具体的な場面を一緒に思い浮かべる形にします(言い方の例)。

  • 「夜トイレに行くとき、この廊下の箱につまずかない?」
  • 「階段に置いてある物だけ、別の場所に移してもいい?」

火事については、総務省消防庁がとりまとめた「住宅防火いのちを守る10のポイント」(令和7年版消防白書で紹介)に、片付けと関係の深い項目があります。次の「」内の文言は、千葉市消防局のページに載っているものです。

  • 「ストーブの周りに燃えやすいものを置かない。」
  • 「コンセントはほこりを清掃し、不必要なプラグを抜く。」
  • 「火災の拡大を防ぐために、部屋を整理整頓し、寝具、衣類及びカーテンは、防炎品を使用する。」
  • 「お年寄りや身体の不自由な人は、避難経路と避難方法を常に確保し、備えておく。」

この記事では、「ストーブの横の新聞紙だけ、玄関の箱に移そうか」のように、範囲を小さく区切って提案することをすすめます。

親が大事にしている物から聞く

もう一つの入り口として、この記事では「残したい物」を先に聞くことをすすめます。残す物と置き場所を先に決めておけば、片付けが物をなくすだけの作業ではないと示せます。

  • 「この家で、一番大事にしている物はどれ?」
  • 「孫に残したい物はある?」
  • 「これは誰にもらった物?」(由来を聞くと、残す理由がはっきりします)

手放す物も、「使ってくれる人に譲る」という行き先を示す方法があります。

言い方を置き換える(編集部の提案)

避けたい言い方:「こんなにいらないでしょ」

置き換えの例:「よく使う物はどれ?手の届く所に置こう」

ねらい:使う物を守る話にする

避けたい言い方:「全部捨てるよ」

置き換えの例:「今日はこの棚の1段だけ見てもいい?」

ねらい:範囲を小さくする

避けたい言い方:「勝手にやっておくね」

置き換えの例:「決めるのはお母さんでいいから、分けるのを手伝わせて」

ねらい:判断を親に残す

避けたい言い方:「死んだら困るのはこっちなんだから」

置き換えの例:「物が多いと、救急隊の人が通りにくくないか心配で」

ねらい:親自身の安全の話にする

それでも進まないときは

  • 保留の箱をつくる:迷った物は「保留」の箱に入れ、次の帰省のときにもう一度一緒に見ます(編集部の提案)。
  • 親の領域は後回しにする:寝室の収納や衣類など、親の生活の中心は最後にします(編集部の提案)。
  • 外の相談先を使う:物が増え続けて生活や安全が心配な場合は、実家のある市町村の地域包括支援センターに相談できます。厚生労働省の説明では、市町村が設置し、地域の高齢者の総合相談などを行う機関です。

実家の片付けは、どこから、どの順番で進める?

この章のポイント

  • 元気なうちは安全→ふだん使わない場所→生活の中心
  • 物置は危ない物と出し方が決まった物を先に分ける
  • 書類はその場で捨てず1か所にまとめる

この記事では、親が元気なうちは「安全に関わる場所」→「親がふだん使わない場所」→「親の生活の中心」の順をすすめます。亡くなったあとは、最初に家全体をひととおり見て、貴重品と書類を探してから同じ順番で進めます。探し物のやり直しを減らすためです。

1. 玄関・廊下・階段・寝室の床

理由:東京消防庁のデータで「ころぶ」事故が多かった居室・寝室、玄関、廊下と、「落ちる」事故の1位の階段

  • 親が元気なうち:床と階段の物をなくす。コードをまとめる
  • 亡くなったあと:運び出しの通り道をつくる

2. 台所のこんろ周り・ストーブ周り

理由:「10のポイント」に、ストーブやこんろに関わる項目がある

  • 親が元気なうち:燃えやすい物を離す
  • 亡くなったあと:ガス・電気の契約の確認と合わせて進める

3. 物置・納戸

理由:親がふだん使わない場所

  • 親が元気なうち:中身を確かめるところから
  • 亡くなったあと:粗大ごみや、出し方に注意が要る物が残っていることがある

4. 押入れ・2階の空き部屋

理由:親がふだん使わない場所

  • 親が元気なうち:布団・季節外の物を見直す
  • 亡くなったあと:書類・アルバムが出てくることがある

5. 台所の収納

理由:毎日使うため、親の意見が要る

  • 親が元気なうち:使う物を出しやすい高さに
  • 亡くなったあと:食品を早めに片付ける

6. 寝室・居室の収納、衣類

理由:親の暮らしの中心

  • 親が元気なうち:最後に、親のペースで
  • 亡くなったあと:形見分けを済ませてから

物置:まず「危ない物」と「出し方が決まっている物」を分ける

物置には、灯油、塗料、農薬、スプレー缶、カセットボンベ、消火器、バッテリーなどが残っていることがあります。ふつうのごみと出し方が違うことがあるため、この記事では、先にまとめて別に置き、実家のある市町村の分別表で出し方を確かめることをすすめます。

石や植木鉢のような重い物にも注意します。京都市の粗大ごみの手数料(2026年4月1日から適用)では、石(漬物石、自然石)や陶器の植木鉢を「処理困難物」の区分に入れ、重さで手数料を分けています(20kg未満は800円)。

押入れ:「布団」「書類」「写真」に分けて考える(編集部の提案)

  • 布団:かさが大きい物です。客用布団は、親と相談して残す組数を決めます。
  • 書類:年金・保険・不動産・お墓に関する書類は捨てずに1か所にまとめます。何の書類かわからない物も、その場では捨てません。
  • 写真・アルバム:片付けの最後に、親と一緒に見る時間を別にとります(よくある質問Q2)。

台所:食品→使っていない道具→食器の順に見る

台所は毎日使う場所なので、この記事では、子どもの判断で配置を大きく変えず、次の順で見ることをすすめます。

  • 期限の切れた食品から片付けます。親も判断しやすい物から始めるためです。
  • 何年も使っていない調理器具や、来客用の食器は、親に使う予定を聞いてから決めます。
  • よく使う物は、腰から目の高さの棚に集め、台に乗って取る機会を減らします。

1日の作業量は、どう決める?

この章のポイント

  • 作業量は「その日に外へ出せる量」と親の体力で
  • 一度に多量のごみを集積場所に出せない市がある
  • 1日の範囲は場所で区切る(編集部の提案)

この記事では、1日の作業量を、片付ける速さよりも「その日に家の外へ出せる量」と「親の体力」で決めることをすすめます。出す先のない袋を家の中に積むと、かえって通路をふさぐためです。

自治体のルールにも、一度に出せる量の制約があります。

  • 横浜市は、引っ越しや遺品整理などで一度に多量に出るごみは、まとめて集積場所に出せないとしています。燃やすごみは市内4か所の焼却工場に事前の申し込みで持ち込めるほか、一般廃棄物収集運搬業の許可業者に頼む方法を案内しています(2026年8月21日更新のページ)。
  • 名古屋市は、一度に大量にならないよう計画的に出すよう求めています。2026年10月収集分からは、粗大ごみ(有料・申し込みが必要)の対象を「容量45リットルの指定袋に入らないもの」に変えました(2026年10月1日更新のページ)。

ルールは市町村ごとに違うため、実家のある市町村の案内を確かめます。そのうえで、1日の範囲は「押入れの上段」「物置の棚1つ」のように、場所で区切って決めることをすすめます。作業の流れの例です。

  1. 始める前:その日の範囲を1か所に決めます。終わらなかった分は次回に回します。
  2. 出す・分ける:中身をすべて出し、「残す」「譲る・売る」「捨てる」「保留」に分けます。4種類の箱か袋を用意しておきます。
  3. 戻す:残す物を戻します。よく使う物は取り出しやすい高さにし、戻す場所を親に確かめます。
  4. 外に出す準備:捨てる物を、収集日や持ち込み日まで置く場所に移します。通路や階段には置きません。

粗大ごみ・家電リサイクル・買取・寄付は、どう使い分ける?

この章のポイント

  • 家電4品目は家電リサイクル法の仕組みで出す
  • 「無料回収」をうたう無許可の業者に渡さない
  • 家具・書籍など一部の物は訪問購入の規定の対象外

物の種類と、使える時間(帰省の回数)で使い分けます。

家庭ごみ

指定の袋に入る物

  • 費用:指定袋の代金など
  • 手間と時間:収集日に合わせる
  • 注意点:一度に多量に出せない(横浜市)、計画的に出すよう求める(名古屋市)自治体がある

粗大ごみ

指定袋に入らない大きさの家具など(基準は市町村ごと)

  • 費用:品目と大きさごとの手数料。京都市は400円〜2,400円(2026年4月1日から)
  • 手間と時間:申し込み→手数料の支払い→指定日に出す
  • 注意点:家電4品目は家電リサイクル法の対象(下記)

自己搬入(施設へ持ち込む)

量が多いとき

  • 費用:重さで計算する例として、名古屋市は10kgごとに270円、横浜市の焼却工場(燃やすごみ)は1kgあたり13円
  • 手間と時間:車と人手が要る。横浜市の焼却工場は事前の申し込みが必要で、持ち込めるのは最短で申し込みから6日後
  • 注意点:家庭から出た物に限る施設がある(横浜市)

家電リサイクル

エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機

  • 費用:リサイクル料金(メーカーごと)+収集運搬料金(小売業者ごと)
  • 手間と時間:販売店に引き取りを頼むか、自分で指定引取場所へ運ぶ
  • 注意点:無許可の「無料回収」に渡さない

買取

まだ使える家具・家電、着物、骨董、貴金属など

  • 費用:売れれば収入になる。出張費などの扱いは業者に確かめる
  • 手間と時間:査定に立ち会う
  • 注意点:訪問購入のルールが当てはまらない物や場面がある(下記)

寄付・譲渡

まだ使える物

  • 費用:送料がかかる場合がある
  • 手間と時間:受け入れ条件を確かめる
  • 注意点:品目と状態の条件は、送り先の案内で確かめる

許可業者・片付け業者

量が多い、帰省の回数が限られる

  • 費用:見積もりで確認する
  • 手間と時間:作業日の調整が要る
  • 注意点:実家のある市町村の一般廃棄物収集運搬業の許可を確かめる

家電リサイクル法の対象は、どの家電?

家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)の対象は、次の4品目です(特定家庭用機器再商品化法施行令第1条)。

品目対象になる範囲
エアコンウィンド形と、室内ユニットが壁掛け形・床置き形のセパレート形
テレビブラウン管式、液晶式、有機EL式、プラズマ式。液晶式・有機EL式は、電源に一次電池・蓄電池を使わない物に限り、建物に組み込めるように設計した物を除く
冷蔵庫・冷凍庫電気冷蔵庫、電気冷凍庫
洗濯機・衣類乾燥機電気洗濯機、衣類乾燥機

有機ELテレビは、2023年12月22日に閣議決定された政令改正で加わり、2024年4月1日から対象です。出し方は、経済産業省の担当者向けガイドブック(2025年3月作成)で次のように整理されています。

  • 買い替えるとき:新しい製品を買う店に、古い物の引き取りを頼む
  • 処分だけするとき:その製品を買った店に頼む
  • 買った店がわからない・閉店したとき:市区町村が案内する方法に従う(市区町村によって違う)
  • 自分で運ぶとき:指定引取場所に直接持ち込む。家電リサイクル券センターの案内では、郵便局に備え付けの家電リサイクル券で料金を振り込む

費用は、リサイクル料金(メーカーごとに異なる)と、小売業者ごとの収集運搬料金の2つです。店に渡したときは、家電リサイクル券の「排出者控」を受け取ります。控えのお問合せ管理票番号で、指定引取場所に引き渡されたかを確かめられます。

ここに注意

同じガイドブックは、チラシやインターネット広告、街中を大音量で巡回するなどして「無料回収」をうたう違法な回収業者に渡さないよう呼びかけています。リサイクルが行われないおそれや不法投棄、積み込んだあとの高額な料金請求などがあるためです。

パソコンと小さな家電は、どう出す?

パソコンは、資源有効利用促進法にもとづき、メーカーなどに回収と再資源化が義務付けられています。仙台市の案内(2026年1月23日更新)では、2003年10月以降に販売された家庭向けパソコンで「PCリサイクルマーク」が付いている物は、メーカーの窓口に申し込めば回収・再資源化料金がかかりません。メーカーがなくなっている場合などは有料です。

小型家電リサイクル法にもとづく市町村の回収ボックスなどを使える場合もあります。この記事では、手放す前に親と一緒に、残したい写真などのデータを移してから消しておくことをすすめます。

買取を頼む前に知っておきたい「訪問購入」のルール

業者が自宅に来て物を買い取る取引は、特定商取引法で「訪問購入」として規制されています。主な定めは次のとおりです。

  • 勧誘の要請をしていない人への、営業所等以外での勧誘の禁止(第58条の6第1項)
  • 書面を受け取った日から数えて8日を過ぎるまでの、契約の申込みの撤回・解除(クーリング・オフ、第58条の14)
  • その期間中、業者への物の引き渡しを拒めること(第58条の15)

ただし、次のような物や場面では、このルールが当てはまらないことがあります。

  • 対象外の物:特定商取引法施行令第34条で、自動車、家庭用電気機械器具(携行が容易なものを除く)、家具、書籍、有価証券、レコードやCD・DVDなど(音・影像・プログラムを記録した物)は、訪問購入の規定の対象から除かれています。
  • 自分から自宅での契約を求めた場合:自宅で売買契約の申込みや締結をすることを自分から請求した人には、勧誘の禁止やクーリング・オフなどの規定(第58条の6第1項、第58条の7〜第58条の16)を適用しないと定められています(第58条の17第2項第1号)。

業者に自宅へ来てもらっただけで、この扱いになるとは限りません。消費者庁の特定商取引法ガイドでは、不招請勧誘の禁止(第58条の6第1項)の説明で、「単に相手方から査定の依頼があった場合に、査定を超えて勧誘を行うことは、法に抵触することになります」としています。

この記事では、買取はその場で決めず、複数の業者の査定額を書面でもらって比べることをすすめます。作業費と買取額を一緒に見積もる業者には、金額を分けて書いてもらいます。

契約で困ったときは、消費者ホットライン「188」で、最寄りの消費生活センターなどの窓口を案内してもらえます。最終的な判断は、弁護士などに相談してください。

寄付・譲渡は、受け入れ先の条件を先に確かめる

  • 自治体が案内するリユースの拠点:名古屋市のページでは、リユース品を処理手数料なしで引き取る「ジモティースポット名古屋」を、西区・港区・守山区に開設したと案内しています。実家のある市町村にも同じような仕組みがないか、廃棄物担当の窓口で確かめられます。
  • 団体への寄付:受け入れる品目、状態の条件、送料の負担を、送る前に送り先の案内で確かめます。

遠方に住んでいる場合は、どう計画を立てる?

この章のポイント

  • 自分たちで作業できる日数は帰省の回数で決まる
  • 量の多い場所は業者・自治体の仕組みに任せる
  • 最終日は出す物の段取りにあてる(編集部の提案)

実家が遠い場合、自分たちで作業できる日数は「帰省の回数」で決まります。この記事では、まず次の1年で何回、何日ずつ帰れるかを書き出し、自分たちでやる場所と、業者や自治体の仕組みに任せる場所を分けることをすすめます。帰省の頻度ごとの考え方の例です。

年1〜2回(お盆・年末年始など)

安全に関わる場所(床・通路・火の周り)と、貴重品・書類の置き場所の確認に絞る

業者・自治体の仕組みの使い方:物置や2階など量の多い場所は、帰省に合わせて業者の見積もりと作業日を入れる

2〜3か月に1回

1回の帰省で1〜2か所。粗大ごみは帰省の日程に合わせて申し込む

業者・自治体の仕組みの使い方:量が多い場所は、自己搬入や許可業者を組み合わせる

月1回以上

場所の順番どおり、自分たちで進められる

業者・自治体の仕組みの使い方:家電4品目や大型の家具など、運び出しが難しい物だけ頼む

何度も通う場合は、交通費と日数も費用に含め、業者にまとめて頼む費用と比べます。業者の費用の目安は遺品整理の費用相場、比べるときの確認項目は遺品整理業者の選び方にまとめています。

帰省の前・最中・あとにやること

この記事では、帰省のたびに次の段取りで進めることをすすめます。

帰省の前

  • 実家のある市町村の、ごみの分別表と収集日を手に入れる
  • 粗大ごみや自己搬入を申し込む(横浜市の焼却工場への持ち込みは、最短で申し込みから6日後)
  • 業者に見積もりを頼むなら、帰省の日程に合わせて立ち会える日を入れる
  • きょうだいで、今回の範囲と費用の分け方を決めておく

帰省している間

  • 初日に、収集日に間に合うよう「捨てる物」から袋に入れる
  • 帰る日に、出しきれなかった物の置き場所を決める。通路や階段には置かない
  • 親が自分でごみ出しできる量だけを残す

帰省のあと

  • 片付けた場所と保留にした物の写真を、きょうだいで共有する
  • 次の帰省で手をつける場所を、親と電話で確かめておく

ごみを多く残して帰ると、収集日のたびに親が重い袋を運ぶことになります。この記事では、最終日は作業を早めに切り上げ、出す物の段取りを確かめる時間にあてることをすすめます。

業者や相談先は、どう選べばいい?

片付けを業者に頼む場合は、実家のある市町村の「一般廃棄物収集運搬業」の許可を確かめます。横浜市のページには、チラシやインターネット広告などを見て無許可の回収業者に頼み、高額な料金を請求された事例があると書かれています。

相談したいこと相談先
ごみの出し方、一度に多量に出るごみ、許可業者の確認実家のある市町村の廃棄物担当の窓口
家電4品目の出し方買った店・買い替える店、家電リサイクル券センター(0120-319640)
物が増え続ける、親の暮らしが心配実家のある市町村の地域包括支援センター
買取や片付け業者との契約トラブル消費者ホットライン「188」(最寄りの消費生活センターなどを案内)
相続放棄、遺産の分け方司法書士、弁護士

相続放棄や契約の扱いは、家ごとの事情で変わります。最終的な判断は、司法書士・弁護士などに相談してください。仏壇がある場合の処分の方法は仏壇の処分方法と費用で整理しています。実家じまいに関するほかの記事は、実家じまいのページにまとめています。

よくある質問

Q1. 親に内緒で、実家の物を片付けてもいいですか?

親が元気なうちは、家の中の物は親の持ち物です。この記事では、捨てるかどうかの判断は親に残し、子どもは「分ける」「運ぶ」を手伝う形をすすめます。

黙って捨てた物が見つかると、その後の片付けを親に頼みにくくなることも考えられます。迷う物は保留の箱に入れ、次の帰省で一緒に見ます。

Q2. 写真やアルバムは、どう整理すればいいですか?

時間がかかるため、この記事では、ほかの場所が片付いてから親と一緒に見る時間を別にとることをすすめます。残すアルバムの冊数を先に決める、スキャンしてデータで残す、きょうだいで分けるといった方法があります。

データにした場合は、きょうだいが見られる場所に保存しておくと、あとで探さずにすみます。

Q3. 仏壇は粗大ごみに出せますか?

出せる自治体があります。京都市が2026年4月1日から適用している粗大ごみの手数料の告示では、仏壇・神棚が品目に挙がっており、三辺の合計で400円〜2,400円です。

閉眼供養(魂抜き)をするかどうかは、出す前に家族で決めておきます。方法と費用は仏壇の処分方法と費用をご覧ください。

Q4. 親が亡くなったあと、片付けの途中で現金や貴金属が出てきたら?

相続財産にあたるため、この記事では、その場で使ったり分けたりせず、見つけた場所と金額・品目を記録して、きょうだいに共有することをすすめます。遺産の分け方が決まるまでは、1か所にまとめて保管します(編集部の提案)。

相続の扱いで迷う場合は、最終的な判断を司法書士・弁護士などに相談してください。

Q5. きょうだいで意見が合わないときは、どうすればいいですか?

この記事では、「どの場所を、いつまでに、誰が」と「費用をどう分けるか」を、作業の前に決めておくことをすすめます。

形見として残したい物は、各自が希望を出し合ってから分けます。片付けた場所を写真で共有するのも、離れて暮らすきょうだいとの認識合わせの方法の一つです。

出典

執筆・編集:しまい支度編集部(編集方針)

最終確認日:2026年10月27日