※2026年10月時点の情報です。
親が暮らしていた家で、親やご家族が亡くなった。その家を売るとき、買主に何を、どこまで伝える必要があるのかを、国土交通省のガイドラインと民法・宅地建物取引業法の条文をもとに整理します。
検索では「事故物件」という言葉が使われますが、この記事では、亡くなった方とご遺族への配慮から「人の死があった家」と書きます。
結論:売買では「死因」と「その後の状況」で扱いが分かれ、賃貸の「概ね3年」の目安はない
国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」(2021年10月)の記載から、売買で押さえたい点は次の5つです。ガイドラインは、不動産会社(宅地建物取引業者)の対応を整理したものです。
- 自然死・日常生活の中での不慮の死(老衰、持病による病死、自宅の階段からの転落、入浴中の溺死や転倒事故、食事中の誤嚥など)は、売買でも原則として告げなくてもよいとされています
- ただし、長期間にわたって人知れず放置されたことなどに伴い、特殊清掃や大規模リフォーム等が行われた場合は、この原則のとおりにはなりません
- それ以外の場合は、取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合に、不動産会社は買主に告げなければならないとされています
- 概ね3年間を経過した後は原則として告げなくてもよいという目安は賃貸借取引についてのもので、売買取引には示されていません
- 経過した期間や死因に関わらず、買主から事案の有無を問われた場合などは、不動産会社は調査で分かった点を告げる必要があるとされています
費用の目安は、日本少額短期保険協会の「第10回 孤独死現状レポート」で、原状回復費用の平均損害額が494,344円、遺品整理(残置物処理)費用の平均損害額が294,131円です。賃貸住宅の居室で亡くなった一人暮らしの方のデータで、持ち家の数字ではありません。
この記事の目次
国土交通省のガイドラインは、誰に向けたもの?
この章のポイント
- 不動産会社が何を調べ、何を告げるかを整理したもの
- 対象は居住用の不動産
- 沿って対応しても民事上の責任がなくなるわけではない
国土交通省は2021年10月8日に、このガイドラインを策定したと発表しました。取引する不動産で過去に人の死があった場合に、宅地建物取引業者(不動産会社)がどう調べ、何を告げるかを整理したものです。
ガイドラインは「本ガイドラインにおいては、居住用不動産を取り扱うこととする」としています。オフィスなどは対象外です。
売主が書く「告知書」が出発点になる
ガイドラインでは、仲介(媒介)をする不動産会社は、売主に対して「告知書(物件状況等報告書)その他の書面」に過去に生じた事案についての記載を求めることで、通常の情報収集としての調査義務を果たしたものとするとしています。
そのうえで、売主に対し、「事案の存在について故意に告知しなかった場合等には、民事上の責任を問われる可能性がある旨をあらかじめ伝えることが望ましい。」としています。売主が告知書に正確に書くことが、適切な告知の出発点になります。

ガイドラインに沿っても、民事上の責任がなくなるわけではない
ガイドラインには、「宅地建物取引業者が本ガイドラインに基づく対応を行った場合であっても、当該宅地建物取引業者が民事上の責任を回避できるものではないことに留意する必要がある。」と書かれています。トラブルになったときの判断は、個別の事情によります。
ガイドラインは、新たな裁判例や取引実務の変化などに応じて「適時に見直しを行うこととする」としています。売り出す前に、国土交通省のページで改定の有無を確かめてください。
告知の要否や告知書の書き方について、最終的な判断は宅地建物取引士・弁護士などに相談してください。
告げなくてもよいとされるのは、どんな場合?
この章のポイント
- 自然死・日常生活の中での不慮の死は、売買でも原則告げなくてよい
- 特殊清掃や大規模リフォーム等が行われた場合は別の扱い
- 隣の住戸や、ふだん使わない共用部分での死も原則告げなくてよい
ガイドラインが原則として告げなくてもよいとするのは、次の場合です。番号は、ガイドラインの①②③に合わせています(②は賃貸借取引だけの扱いで、次の次の章で説明します)。
① 自然死や、日常生活の中での不慮の死
ガイドラインは、「老衰、持病による病死など、いわゆる自然死」について、「そのような死が居住用不動産について発生することは当然に予想されるもの」としています。自宅の階段からの転落や、入浴中の溺死や転倒事故、食事中の誤嚥など、日常生活の中で生じた不慮の事故による死も同じ扱いです。
これらは、「原則として、賃貸借取引及び売買取引いずれの場合も、これを告げなくてもよい。」とされています。ガイドラインの概要資料では、①に「事案発覚からの経過期間の定めなし」と添えられています。
特殊清掃等が行われた場合
ガイドラインは、自然死や日常生活の中での不慮の死であっても、過去に人が死亡し、長期間にわたって人知れず放置されたことなどに伴い、「いわゆる特殊清掃や大規模リフォーム等」が行われた場合は、買主・借主の判断に重要な影響を及ぼす可能性があるとしています。その場合は、①の原則のとおりにはなりません(次の章)。
ガイドラインの脚注では、特殊清掃を「孤独死などが発生した住居において、原状回復のために消臭・消毒や清掃を行うサービス」と説明しています(総務省行政評価局の報告書からの引用)。
③ 隣の住戸や、ふだん使わない共用部分で起きた死
マンションなどで、売る住戸ではなく、その隣接住戸や、買主が日常生活において通常使用しない集合住宅の共用部分で、①以外の死があった場合や、①の死があって特殊清掃等が行われた場合です。
ガイドラインは、こうした場合は「賃貸借取引及び売買取引いずれの場合も、原則として、これを告げなくてもよい。」としています。ただし、「事件性、周知性、社会に与えた影響等が特に高い事案はこの限りではない。」とされています。

自分の家の事情がどれに当たるか迷う場合、最終的な判断は宅地建物取引士・弁護士などに相談してください。
告げる必要があるのは、どんな場合?何を伝える?
この章のポイント
- ①③に当たらず、相手方の判断に重要な影響があると考えられる場合は告げる
- 告げるのは時期・場所・死因・特殊清掃等の有無
- 氏名や年齢、死の態様、発見状況などは告げる必要はない
①③に当たらず、買主の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合
ガイドラインは、①〜③のケース以外の場合は、「宅地建物取引業者は、取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合は、買主・借主に対してこれを告げなければならない。」としています。売買では②の目安がないため、自死や事件性のある死、特殊清掃等が行われた①の死などは、この基準で判断することになります。
買主から問われた場合
ガイドラインは、人の死に関する事案の発覚から経過した期間や死因に関わらず、「買主・借主から事案の有無について問われた場合」や、社会的影響の大きさから買主・借主において把握しておくべき特段の事情があると認識した場合等には、不動産会社は調査を通じて判明した点を告げる必要があるとしています。①に当たる場合でも、対象の家での事案について買主から問われたときは、不動産会社は調査で分かった点を告げる必要があるとされています。
何を告げ、何を告げなくてよいのか
告げる事項(ガイドラインの記載)
- 事案の発生時期(特殊清掃等が行われた場合には発覚時期)
- 場所
- 死因(不明である場合にはその旨)
- 特殊清掃等が行われた場合にはその旨
告げる必要はないとされる事項
- 亡くなった方の氏名、年齢、住所、家族構成
- 具体的な死の態様、発見状況等
ガイドラインは、告げる際には「亡くなった方やその遺族等の名誉及び生活の平穏に十分配慮し、これらを不当に侵害することのないようにする必要がある」としています。また、後日のトラブル防止の観点から、「書面の交付等によることが望ましい。」としています。
告げる内容や書き方について、最終的な判断は宅地建物取引士・弁護士などに相談してください。
売買でも「3年たてば告げなくてよい」の?
この章のポイント
- 「概ね3年」は賃貸借取引で借主に告げるかどうかの目安
- 売買取引には、この期間の目安は示されていない
- 年数だけで判断せず、不動産会社と専門家に相談する
「概ね3年」は賃貸借取引についての記載
ガイドラインで期間に触れているのは②で、賃貸借取引の対象不動産や、借主が日常生活において通常使用する必要がある集合住宅の共用部分で、①以外の死があった場合などです。「①以外の死が発生又は特殊清掃等が行われることとなった①の死が発覚してから概ね3年間を経過した後は、原則として、借主に対してこれを告げなくてもよい。」とされています。事件性、周知性、社会に与えた影響等が特に高い事案は除かれます。
ガイドラインの概要資料では、①と③に「賃貸借・売買取引」、②に「賃貸借取引」と表示が書き分けられています。売買取引について、この3年の目安は示されていません。

ガイドラインは「3年を過ぎたら売買でも告げなくてよい」とも、「売買では何年たっても必ず告げなければならない」とも書いていません。経過した年数だけで判断せず、不動産会社と専門家に事情を伝えて相談してください。
自分の状況に当てはめる確認表(売買の場合)
老衰や持病による病死で、特殊清掃等は行っていない
① 原則として告げなくてよい(経過期間の定めなし)
自宅での階段からの転落、入浴中の事故、食事中の誤嚥など(特殊清掃等は行っていない)
① 原則として告げなくてよい(経過期間の定めなし)
①の死だが、長く気づかれず、特殊清掃や大規模リフォーム等を行った
①の原則のとおりにはならない
取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合は告げる。売買では期間の目安なし
自死、事件性のある死など①以外の死(売る家で起きた)
重要な影響を及ぼすと考えられる場合は告げる
売買では期間の目安なし
マンションの隣の住戸や、ふだん使わない共用部分で起きた①以外の死(特殊清掃等が行われた①の死を含む)
③ 原則として告げなくてよい
事件性、周知性、社会に与えた影響等が特に高い事案を除く
買主から「過去に何かありましたか」と問われた
経過期間や死因に関わらず、調査で分かった点を告げる
建物を取り壊して土地だけを売る
ガイドラインの対象外
ガイドラインは「現時点では、本ガイドラインの対象としていない」としている。よくある質問のQ1も参照
当てはめに迷う場合、最終的な判断は宅地建物取引士・弁護士などに相談してください。
売る前の特殊清掃と遺品整理は、どう進める?
この章のポイント
- 相続放棄を考えているなら、片付けの前に専門家へ
- 特殊清掃の見積書・報告書は、告知の資料として残す
- 特殊清掃の相場例は1R/1Kで6万〜7万6,000円(ミツモア)
内閣府特命担当大臣の記者会見(2026年4月17日)では、2025年に警察が取り扱った遺体のうち、自宅で亡くなった一人暮らしの人で、生前に社会的に孤立していたことが強く推認される死後8日以上を経過していた人は、2万2,222人と説明されています。
ご家族がひとりで亡くなり、見つかるまでに時間がかかった場合は、売却の相談と並行して、住まいの状態を整える作業が必要になることがあります。次は、編集部がまとめた進め方の一例です。
- 相続人どうしで状況を共有する相続をどうするかを確かめます。相続放棄を考える場合は、片付けの前に専門家に相談します(下の囲み)。
- 特殊清掃の見積もりを取るどの場所に、何をするのか(洗浄・消臭・除菌の範囲)を見積書に書いてもらいます。
- 遺品整理を行う通帳、権利証、親が家を買ったときの売買契約書などの書類は捨てずに保管します。
- 売り方を決めてから、リフォームや解体を考える買取も考えるなら、費用をかける前に査定を取って比べます。
- 作業の記録を残す作業日と作業内容が分かる見積書や報告書は、「特殊清掃等が行われた旨」を不動産会社に伝えるときの資料になります。
相続放棄を考えているとき
相続放棄を考えている場合は、遺品の処分や売却の前に、弁護士や司法書士に相談してください。民法第921条第1号は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなすと定めています(保存行為などは除く)。
民法第915条第1項では、相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、単純承認・限定承認・放棄のいずれかをしなければならないとされています(家庭裁判所で期間を伸ばしてもらえる場合があります)。
どの行為が処分にあたるかや、相続放棄ができるかなど、最終的な判断は弁護士・司法書士などに相談してください。
費用の目安と、見積もりで気をつけたいこと
特殊清掃(ミツモアの料金相場)
1R/1K 6万〜7万6,000円、1DK 7万〜8万6,000円、2DK 10万〜13万2,000円、3DK 13万〜17万2,000円
直近2年間の特殊清掃の見積もり料金から算出(2026年10月27日更新)。料金には、必要に応じた近隣住民への挨拶、汚染箇所の洗浄・消臭・除菌、作業後の確認が含まれるとしている。オゾン消臭はオプション作業で3万〜4万円。税込・税抜の記載なし(2026年10月27日確認)
原状回復費用(日本少額短期保険協会)
平均損害額 494,344円
「第10回 孤独死現状レポート」(2025年12月)。2015年4月〜2025年3月の累積データ(死亡者12,105人)。賃貸住宅の居室で亡くなった一人暮らしの方の、孤独死保険の支払いデータで、持ち家は含まれない
遺品整理(残置物処理)費用(同上)
平均損害額 294,131円
同上
一戸建ての実家では、間取りや家財の量によって金額が変わります。特殊清掃や消臭が見積もりに含まれるか、別料金かは業者によって違うため、どの作業が金額に入っているかを見積書で確かめます。

遺品整理サービスをめぐっては、国民生活センターが2018年7月に、作業時に予定外の料金を請求され、最終的に見積金額の2倍の費用を請求された例や、処分しないようにと頼んだ物を勝手に処分された例を公表しています。同センターは次のように呼びかけています。
- 「複数社から見積もりを取るなど、事業者の選定は慎重に行いましょう」
- 「作業内容や費用を明確に出してもらうなど、見積書の内容を十分に確認しましょう」
- 「料金やキャンセル料、具体的な作業内容について事前に確認するようにしましょう」
- 「残しておく遺品と処分する遺品を明確に分けておくようにしましょう」
- 「事業者とトラブルになった場合には消費生活センターに相談しましょう」
ごみを運ぶ許可の確かめ方や見積書で比べる項目は遺品整理業者の選び方、間取り別の費用は遺品整理の費用相場で整理しています。特殊清掃・消臭・害虫駆除をどこまで頼むかはゴミ屋敷の片付け業者の選び方、特殊清掃の料金相場はゴミ屋敷片付けの費用相場でも紹介しています。
加入している火災保険などで清掃の費用が対象になるかどうかは、契約内容によって異なります。保険会社に確認してください。
仲介と買取、どちらで売る?
この章のポイント
- 売り方は、通常の家と同じく仲介と買取の2つ
- 買取の価格・期間の目安は東急リバブルの解説(人の死に限らない)
- 仲介と買取の両方の査定を並べて比べる
人の死があった家も、売り方は通常の家と同じく「仲介」と「買取」の2つです。下の比較のうち、買取の価格・期間・責任は東急リバブルの解説(2025年9月26日更新)の記載で、人の死があった家に限った数字ではありません。

買主
- 仲介:個人など一般の買主
- 買取:不動産会社
価格
- 仲介:市場の相場で買主を探す
- 買取:東急リバブルの解説では、市場価格の7〜9割程度が一般的で、仲介よりも低くなる傾向がある
売れるまでの期間
- 仲介:買主が見つかるまで続く
- 買取:東急リバブルの解説では、条件が合えば1週間から1か月程度で現金化できる場合もある
告知
- 仲介:売主が告知書に記載し、仲介する不動産会社がガイドラインに沿って買主に告げる
- 買取:売主として、知っている事実を買取会社に伝える
契約不適合責任
- 仲介:売主が負う可能性がある
- 買取:東急リバブルの解説では、免責となるケースが多い。ただし、免責の特約があっても、知りながら告げなかった事実は責任を免れない(民法第572条)
買取価格の目安はほかの会社の解説でも幅があり、出典ごとの比べ方や、買取業者の免許番号と処分歴の調べ方は空き家買取の仕組みと業者の選び方で整理しています。
価格への影響は、どう考える?
この記事で参照した国土交通省のガイドラインは告知の考え方を整理したもので、人の死があったことで価格がどれだけ変わるかの目安は書かれていません。価格は、立地、建物の状態、清掃やリフォームの有無、告げる内容などで変わります。
1社だけの査定で決めず、仲介と買取の両方の査定額を並べて比べると、判断の材料がそろいます。査定額の根拠や売り方について、最終的な判断は宅地建物取引士などに相談してください。
告げずに売った場合、どんな責任を問われる可能性がある?
この章のポイント
- 契約の内容に適合しないとされると、修補・減額・損害賠償・解除の請求がありうる
- 免責の特約があっても、知りながら告げなかった事実は責任を免れない
- 不動産会社には宅建業法第47条の禁止事項がある
契約不適合責任を問われる可能性がある
民法では、引き渡した物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるとき、買主は修補などの追完を請求でき(第562条)、相当の期間を定めて追完を求め、その期間内に追完がなければ代金の減額を請求できます(第563条)。損害賠償や契約の解除も妨げられません(第564条)。
国土交通省の検討会資料(「心理的瑕疵に係る検討の方向性(案)」)では、改正前の民法第570条の「瑕疵」について、物理的な欠陥だけでなく「目的物にまつわる嫌悪すべき歴史的背景に起因する心理的欠陥」がある場合も含まれるとした裁判例(大阪高裁平成18年12月19日判決)が紹介されています。人の死があったことが契約の内容に適合しないと評価されるかどうかは、契約時の説明などの個別の事情で判断されます。
「免責の特約」や「1年の期間」があっても、知っていた事実は別
- 免責の特約:民法第572条では、売主が担保の責任を負わない旨の特約をしたときでも、「知りながら告げなかった事実」については、その責任を免れることができないとされています。
- 通知の期間:買主が種類・品質の不適合を知った時から1年以内に売主へ通知しないと、原則としてこれらの請求はできなくなります。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、または重大な過失によって知らなかったときは、この限りでないとされています(第566条)。
人の死があったことを売主が知っている場合、これらの規定で売主の責任が限られない可能性があります。迷う事情があるときは、告知書に書いたうえで不動産会社に相談するほうが、後のトラブルを避けやすくなります。

不動産会社には、宅建業法上の禁止事項がある
宅地建物取引業法第47条(業務に関する禁止事項)第1号は、宅建業者が契約の締結について勧誘をするときなどに、宅建業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなる事項などについて、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為を禁じています(同号ニ)。売主が不動産会社に正確に伝えておくことは、仲介を頼む会社にとっても欠かせない情報になります。
責任の有無や契約書の特約の扱いについて、最終的な判断は宅地建物取引士・弁護士などに相談してください。
不動産会社に相談する前に、何をまとめておく?
この章のポイント
- 告げる事項は時期・場所・死因・特殊清掃等の有無
- 作業の見積書・報告書をそろえておく
- 売却全体の流れと税金は別の記事で
告知書の記載や査定の相談をスムーズにするため、分かる範囲で次のことを整理しておきます。ガイドラインが告げる事項としているのは時期・場所・死因・特殊清掃等の有無で、氏名や発見状況等まで告げる必要はないとされています。

- 亡くなった時期(特殊清掃等を行った場合は、発覚した時期)
- 亡くなった場所(どの部屋か、建物内か敷地内か)
- 死因(分からない場合は、その旨)
- 特殊清掃・リフォームの有無と、作業内容が分かる見積書・報告書
- 相続人どうしで話し合った売却の方針(価格・期間・売り方)
相続登記や税金を含めた売却全体の流れは相続した実家を売る流れと税金、実家の片付けから手放すまでの順番は実家じまいは何から始める?で整理しています。
告知書の書き方や相続登記について、最終的な判断は宅地建物取引士・司法書士などに相談してください。
迷ったときの相談先は?
| 相談したいこと | 相談先 |
|---|---|
| 告知の要否、告知書の書き方、査定 | 不動産会社(宅地建物取引士)。複数社に相談して比べる |
| 告げなかった場合の責任、契約書の特約、買主とのトラブル | 弁護士 |
| 相続放棄の判断、相続登記 | 弁護士、司法書士 |
| 売却したときの税金 | 税理士、税務署 |
| 遺品整理・特殊清掃の業者とのトラブル | 消費生活センターなど(消費者ホットライン「188」で、近くの消費生活相談窓口を案内してもらえる) |
この記事は、国土交通省のガイドラインと民法・宅地建物取引業法の規定をもとにした一般的な説明です。告げる必要があるか、どこまで責任を負うかは個別の事情で変わるため、最終的な判断は宅地建物取引士・弁護士などに相談してください。
よくある質問
Q1. 建物を取り壊して更地にすれば、告げなくてよくなりますか?
ガイドラインは、人の死が生じた建物が取り壊された場合の土地取引の取扱いなどについて、「現時点では、本ガイドラインの対象としていない」としています。概要資料では、一般的に妥当と整理できるだけの裁判例等の蓄積がないものとして挙げ、今後の事例の蓄積を踏まえて適時に更新を検討するとしています。
取り壊せば告げなくてよくなる、とは書かれていません。解体を考える前に、不動産会社や弁護士に相談してください。解体費用と補助金は空き家の解体費用と補助金で整理しています。
Q2. 自宅で倒れ、搬送先の病院で亡くなった場合はどうなりますか?
ガイドラインの概要資料では、「搬送先の病院で死亡した場合の取扱い」も、一般的に妥当と整理できるだけの裁判例等の蓄積がないものの一つに挙げられています。経緯を不動産会社に伝えて、相談してください。
Q3. 売る前にいったん賃貸に出せば、3年で告げなくてよくなりますか?
「概ね3年」は、賃貸借取引で借主に告げるかどうかの目安です。その後に売るときは売買取引になり、売買取引にはこの目安が示されていません。賃貸の期間を経たことで、売買での告知が不要になるとは書かれていません。
Q4. 人の死があった家を売った場合、税金の扱いは変わりますか?
税金の扱いは個別の事情で変わるため、税理士や税務署に確認してください。相続した家を売るときの取得費の考え方や、空き家の3,000万円特別控除などは相続した実家を売る流れと税金で整理しています。
出典
- 国土交通省「「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しました」(2021年10月8日)(確認日:2026-10-27)
- 国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」(令和3年10月、別紙2、PDF)(確認日:2026-10-27)
- 国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」の概要(別紙1、PDF)(確認日:2026-10-27)
- 国土交通省 不動産取引における心理的瑕疵に関する検討会 資料4「心理的瑕疵に係る検討の方向性(案)」(PDF)(確認日:2026-10-27)
- e-Gov法令検索「民法」(第562条〜第564条・第566条・第572条・第915条・第921条)(確認日:2026-10-27)
- e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」(第47条)(確認日:2026-10-27)
- 一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会「第10回 孤独死現状レポート」(2025年12月、PDF)(確認日:2026-10-27)
- ミツモア「特殊清掃」(2026年10月27日更新)(確認日:2026-10-27)
- 国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル-料金や作業内容に関するトラブルが発生しています-」(2018年7月19日)(確認日:2026-10-27)
- 国民生活センター「全国の消費生活センター等」(消費者ホットライン188の案内)(確認日:2026-10-27)
- 東急リバブル「不動産の仲介と買取の違いとは? メリット・デメリットを比較」(2025年9月26日更新)(確認日:2026-10-27)
- 内閣府「黄川田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和8年4月17日」(確認日:2026-10-27)
