家の解体費用はいくら?坪単価・50坪の目安と、持ち主がする届出・登記

最終更新日:

ホーム › 空き家・相続した家

※2026年10月時点の情報です。

この記事には広告(PR)を含みます。広告の有無は、記事の内容や評価に影響しません。広告掲載について

家の解体を考えはじめると、まず気になるのが費用です。この記事では、解体の見積もりサービスや不動産会社が公表している坪単価を、数字の出どころと一緒に並べます。あわせて、見積もりが高くなる条件と、持ち主(発注者)がする届出・登記を、法令の条文で確かめて整理します。

結論:家の解体費用は、いくらが目安?

国や自治体が「家の解体費用の相場」として公表した資料は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。目安として使えるのは、解体の見積もりサービスや不動産会社が公表している数字です(2026年10月30日確認)。

  • 木造の坪単価:クラッソーネは31,000〜44,000円、あんしん解体業者認定協会は平均坪単価2万8,676〜3万8,603円(坪数や平屋・2階建てで異なる)、東急リバブルの解説記事は4万円/坪程度
  • 木造50坪:クラッソーネは155万〜220万円、あんしん解体業者認定協会は2階建て140万〜210万円・平屋150万〜240万円
  • 高くなる条件:重機が入りにくい立地、塀・車庫・庭木など建物以外の撤去、残った家財、アスベスト

持ち主がすることは3つです。解体する部分の床面積が80㎡以上なら、工事に着手する7日前までに建設リサイクル法の届出をします。石綿(アスベスト)の事前調査は業者が行い、その費用は発注者が適正に負担します。解体から1か月以内に、建物の滅失登記を申請します。

相続した家で相続放棄を考えている場合は、解体の契約より前に弁護士・司法書士に相談してください。市区町村の解体補助を使うなら、契約や着工の前に窓口で手続きを確かめてください。補助を確かめた政令市19市では、交付決定などの前に契約・着工すると対象外でした(空き家の解体費用と補助金(政令市20市の一覧))。

この記事の目次
  1. 家の解体費用は、いくらが目安?
  2. 見積もりは、どんな条件で高くなる?
  3. 解体の前後に、持ち主がする手続きは?
  4. 相続した家を解体する前に、何を決めておく?
  5. 解体費用の負担を減らす方法は?
  6. 相談先はどこ?
  7. よくある質問
  8. 出典

家の解体費用は、いくらが目安?

この章のポイント

  • 国や自治体の「相場」の公表は見つからなかった
  • 各社の目安は、件数・税込か税抜かの記載がない
  • 国の標準除却費は、補助の計算に使う上限

国や自治体が公表した「相場」はある?

国や自治体の資料を調べた範囲では、「家の解体費用の相場」として公表された数字は見つかりませんでした。空き家の解体補助について政令市20市を調べたときも、同じ結果でした。

国の資料には、国土交通事務次官通知「令和8年度における住宅局所管事業に係る標準建設費等について」(2026年4月7日)が定める除却工事費の額があります。1㎡あたり木造36,000円、非木造51,000円です。

札幌市・広島市などの補助の案内で「国が定める標準除却費」と呼ばれている額で、国の補助事業で除却工事費を計算するとき、実際の費用がこの額を超える場合に使う1㎡あたりの上限です。解体費用の相場として示された数字ではありません。単位も坪ではなく㎡です。

見積もりサービス・不動産会社は、どんな目安を公表している?

構造別の坪単価を公表しているページのうち、次の3者の数字を2026年10月30日に各社のページで確かめました。いずれも、その会社・団体が公表している目安です。

クラッソーネ(株式会社クラッソーネ。解体工事の一括見積もりサービス)

木造:31,000〜44,000円/坪

  • 鉄骨造:34,000〜47,000円/坪
  • RC造(鉄筋コンクリート造):35,000〜80,000円/坪

表の集計元・件数・期間、税込・税抜の記載なし。ページに更新日の表示なし。ページでは「あくまでも目安」としています

あんしん解体業者認定協会(一般社団法人。解体無料見積ガイド)

木造の平均坪単価:2万8,676〜3万8,603円

  • 木造平屋:2万8,676円(100坪)〜3万8,603円(10坪)
  • 木造2階建て:3万0,414円(100坪)〜3万7,351円(20坪)
  • 鉄骨造:4万9,459円(50坪)
  • RC造:6万9,942円(50坪)

掲載の費用は、同協会を通じて実際に行われた工事に基づくと説明。件数・期間、税込・税抜、更新日の記載なし

東急リバブル(不動産会社の解説記事。2026年5月13日更新)

木造:4万円/坪程度

  • 鉄骨造:6万円/坪程度
  • 鉄筋コンクリート造:7万円/坪程度

数字の根拠となる調査やデータ、税込・税抜の記載なし

数字の読み方

3者とも、何件の工事をいつ集計したのか、税込か税抜かを書いていません。

「坪」がどの面積(延べ床面積など)を指すのかの説明も、3者のページにはありません。見積もりを比べるときは、どの面積で計算した金額かを業者に確かめてください。

どれも相場の代表値ではなく、各社が公表している目安の一つとして見てください。

各社が公表している目安は1坪あたりの額で、各社で異なり、件数・期間や税込・税抜の記載がない。国が定める標準除却費は、国の補助事業で除却工事費を計算するときに使う1㎡あたりの上限で、木造36,000円・非木造51,000円。解体費用の相場ではない。

50坪・30坪の家なら、いくら?

各社の表から、50坪と30坪の行を抜き出しました。東急リバブルは30坪の木造の例だけを示しています。

クラッソーネ

木造50坪:155万〜220万円

  • 鉄骨造50坪:170万〜235万円
  • RC造50坪:175万〜400万円
  • 木造30坪:93万〜132万円

あんしん解体業者認定協会

木造2階建て50坪:140万〜210万円

  • 木造平屋50坪:150万〜240万円
  • 鉄骨造50坪:210万〜400万円
  • RC造50坪:300万〜500万円
  • 木造2階建て30坪:90万〜135万円
  • 木造平屋30坪:96万〜150万円

東急リバブル

木造30坪:「120万円前後」

50坪の例は記載なし

同じ木造50坪でも、各社の数字は一致しません。表の金額には、次の章で見る条件(重機が入れるか、建物以外に何を撤去するか、家財やアスベストの有無)がどこまで入っているかも書かれていません。自分の家の額は、条件をそろえて見積もりを取って確かめます。

各社が公表している木造50坪の目安。クラッソーネは155万〜220万円、あんしん解体業者認定協会は木造2階建て140万〜210万円・木造平屋150万〜240万円。3者とも件数・期間、税込・税抜の記載がなく、相場の代表値ではない。東急リバブルは50坪の例の記載がない。

自治体の試算ツールで概算を見る方法もある

神戸市は、株式会社クラッソーネと連携したAIの「解体費用シミュレーター」を市のページで紹介しています。市のページでは「過去の解体費用データに基づき一般的な費用を算出します」と説明し、金額は目安だとしています。国土交通省の令和3年度のモデル事業に採択されたものです。

相模原市も、同社と連携した相模原市版の「AIによる解体費用シミュレーター」で、空き家の解体費用と解体後の土地の売却価格の概算を無料で知ることができると案内しています。神戸市のページは、次の章で挙げる費用を試算に含めないとしています。

見積もりは、どんな条件で高くなる?

この章のポイント

  • 3者とも、鉄骨造・RC造を木造より高く示す
  • 重機の入りやすさ、建物以外の撤去、家財で変わる
  • アスベストの事前調査の費用は発注者が負担

建物の構造と広さ

前の章の3者の目安は、どれも木造より鉄骨造・鉄筋コンクリート造の坪単価を高く示しています。あんしん解体業者認定協会の表では、同じ構造でも坪数によって平均坪単価が違います。

重機が入れるか(道路・隣家・高低差)

東急リバブルの解説記事は、費用が上がる例を7つ挙げています。そのうち、重機や工事の進め方に関わるものは次の3つです。

  • 「接道が狭く重機が入れない・交通整理が必要」
  • 「隣地と密着しているため重機が入れられない」
  • 「住宅密集地で防音対策が必要」

神戸市のシミュレーターは、「前面道路との高低差などにより機材の搬入が困難となる場合等」の割増し費用を試算に含めていません。相模原市のページも、空き家の立地や接道の状況によって、解体費用などが大幅に高くなる場合があると注意しています。

建物以外に撤去するもの(塀・車庫・庭木・地中のもの)

神戸市のシミュレーターの試算に含まれない費用には、次のものがあります。

  • 「外構工事費用(石積み、車庫、フェンスなどの撤去)」
  • 「隣の家の壁の補修費用」
  • 「アスベストの除去費用」
  • 「その他、通常の解体作業と異なる場合の割り増し費用」

東急リバブルの解説記事も、庭の草木の伐採を含む場合や、地中埋設物がある場合を、費用が上がる例に挙げています。

敷地にブロック塀や浄化槽などがある場合は、その撤去が見積もりに入っているか、項目ごとの金額を見積書で確かめてください。あんしん解体業者認定協会のページには付帯工事の単価の表がありますが、2021年時点の数字とされているため、この記事では載せていません。

建物本体の解体のほかに、費用が上がるもの。外構の撤去(石積み・車庫・フェンスなど)、隣の家の壁の補修、庭の草木の伐採、地中埋設物、アスベストの除去、搬入が難しい場合の割増し。見積もりに入っているか、項目ごとの金額を見積書で確かめる。

家に残った家財は、解体のごみとは別に考える

東急リバブルの解説記事は、「残置物がある」ことも費用が上がる例に挙げています。

環境省の調査報告書(令和元年8月)は、建物の所有者などが残した廃棄物(残置物)を、解体に伴って出る廃棄物とは分けて扱っています。そのうえで、残置物の処理責任は建物の所有者などにあるという前提で整理しています。

見積もりでは、家財の処分を解体工事とは別の項目にしてもらうと、金額を比べやすくなります。市の解体補助でも、家財の処分費を対象外にしている市があります(空き家の解体費用と補助金のよくある質問)。片付けの進め方は実家の片付けはどこから?、業者に頼む場合の費用は遺品整理の費用相場で解説しています。

古い家の横で重機が解体工事をしているイラスト

アスベスト:調査が要り、その費用は発注者が負担する

環境省は、建物を解体するときは、あらかじめ石綿(アスベスト)の使用の有無を調べる「事前調査」が必要だとしています。2023年(令和5年)10月1日からは、建築物の事前調査は有資格者(建築物石綿含有建材調査者など)が行います。

大気汚染防止法第18条の15は、解体工事の元請業者が事前調査を行い、結果を書面で発注者に説明するよう定めています(第1項)。発注者には、「費用を適正に負担すること」などで調査に協力するよう求めています(第2項)。

除去が必要になった場合の費用は、建材の種類や量で変わります。この記事では、時点と出典を確かめられる目安がないため、金額を載せていません。

国の補助(住宅・建築物アスベスト改修事業)の対象は、吹付けアスベストとアスベスト含有吹付けロックウールです。調査の費用への国の補助の限度額は、原則として1棟25万円です。厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトは、補助制度がない自治体もあるとして、自治体に問い合わせるよう案内しています。

見積書と契約書で確かめること

複数の業者から見積もりを取るときは、次の点をそろえて比べます。

  • どの面積で計算した金額か
  • 家財の処分、塀・車庫・庭木などの撤去、隣家の補修が含まれるか
  • アスベストの事前調査の費用と、除去が必要になった場合の扱い
  • 税込か税抜か
  • 契約の前に、届出の内容(分別解体等の計画など)を書面で説明してもらったか(建設リサイクル法第12条第1項)
  • 契約書に、分別解体等の方法、解体工事に要する費用、再資源化等施設の名称・所在地、再資源化等に要する費用が書かれているか(神奈川県のチラシ。同法第13条)
  • 業者が建設業の許可(土木・建築・解体)か、解体工事業の登録を受けているか(次の章)

補助を使うなら

空き家の解体費用と補助金(政令市20市の一覧)で補助を確かめた19市では、すべての制度で、交付決定などの補助の手続きより前に解体業者と契約したり、着工したりすると、補助の対象外でした(2026年10月27日確認)。見積もりを取ったら、契約の前に市区町村の窓口で手続きを確かめてください。

PR

解体工事の業者を手配するサービス『解体工事110番』(シェアリングテクノロジー株式会社)。見積もりの依頼先の一つとして使えます。補助金の対象になるかは、契約前に自治体に確認してください。

【解体工事110番】

解体の前後に、持ち主がする手続きは?

この章のポイント

  • 80㎡以上の解体は、着手7日前までに発注者が届出
  • 石綿の調査結果は、業者から書面で説明を受ける
  • 解体から1か月以内に、建物の滅失登記

解体工事の作業は業者が行いますが、法律で発注者(持ち主)の役割と決まっているものがあります。おおまかな流れは次のとおりです(工事によって前後します)。

  1. 契約の前に説明を受ける届出の内容を書いた書面で、業者から説明を受けます(建設リサイクル法第12条第1項)。
  2. 契約する契約書に分別解体等の方法や解体工事の費用などを書き、署名または記名押印して交わします(建設リサイクル法第13条)。
  3. 石綿の調査結果の説明を受ける元請業者が石綿の事前調査を行い、結果を書面で説明します(大気汚染防止法第18条の15第1項)。
  4. 着手の7日前までに届け出る解体する部分の床面積の合計が80㎡以上なら、発注者が届け出ます(建設リサイクル法第10条第1項)。
  5. 工事石綿の調査結果は、工事の現場に掲示されます(大気汚染防止法第18条の15第5項)。
  6. 完了の報告を受け取る再資源化等が終わると、元請業者から書面で報告があります(建設リサイクル法第18条第1項)。
  7. 1か月以内に滅失登記建物がなくなった日から1か月以内に、建物の滅失登記を申請します(不動産登記法第57条)。

床面積80㎡以上の解体は、着手7日前までに届け出る(建設リサイクル法)

建設リサイクル法第10条第1項は、対象建設工事の「発注者又は自主施工者」が、「工事に着手する日の七日前までに」都道府県知事に届け出るよう定めています。届け出るのは、解体する建物の構造、工事の時期と工程の概要、分別解体等の計画、建設資材の量の見込みなどです。

建物の解体工事では、解体する部分の床面積の合計が80㎡以上の工事が対象です(同法施行令第2条第1項第1号)。

届出先は法律上は都道府県知事です。実際の窓口は地域で異なるため、建物のある市区町村の建築担当で確かめてください。たとえば神奈川県の案内では、横浜市・川崎市など12市での工事は各市の窓口、それ以外は県の土木事務所などが窓口です。

届出をしなかったり、虚偽の届出をしたりすると、「二十万円以下の罰金」の対象です(第51条第1号)。神奈川県のチラシは、この罰則が工事を発注した施主にかかることと、届出を業者に任せる場合は届出書の内容を確かめて委任状を作ることを案内しています。

石綿(アスベスト)の調査結果を、書面で受け取る

元請業者は、事前調査の結果を書面で発注者に説明し(大気汚染防止法第18条の15第1項)、遅滞なく都道府県知事に報告します(第6項)。厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトは、解体部分の床面積の合計が80㎡以上の建築物の解体工事では、「石綿の有無によらず」報告が必要だとしています。

吹付け石綿や、石綿を含む断熱材・保温材・耐火被覆材が使われている場合は、除去などの作業を始める14日前までの届出が要ります(環境省)。届け出るのは工事の発注者(自分で施工する場合は施工者)です(大気汚染防止法第18条の17第1項)。

解体する部分の床面積の合計が80㎡以上なら、発注者(持ち主)が工事に着手する7日前までに建設リサイクル法の届出をする。元請業者は石綿の事前調査をし、結果を書面で発注者に説明する。吹付け石綿などが使われている場合は、発注者が除去などの作業を始める14日前までに届け出る。

業者が許可・登録を持っているか

解体工事業を営むには、建設業法の許可(土木工事業・建築工事業・解体工事業)を受けているか、建設リサイクル法の解体工事業の登録を受けている必要があります(同法第21条第1項)。

神奈川県のチラシは、登録業者が請け負えるのは請負金額500万円未満の工事に限られると案内しています(建設業法施行令第1条の2)。見積額が500万円以上になる場合は、建設業の許可を持つ業者かを確かめます。

工事のあと:再資源化の完了報告を受け取る

元請業者は、解体で出た建設資材の廃棄物の再資源化等が終わったら、発注者に書面で報告します(建設リサイクル法第18条第1項)。適正に行われなかったと思う場合、発注者は都道府県知事に申告し、適当な措置を求めることができます(同条第2項)。

解体から1か月以内に、建物の滅失登記

不動産登記法第57条は、建物がなくなったとき、表題部所有者または所有権の登記名義人が、「その滅失の日から一月以内に」滅失の登記を申請するよう定めています。正当な理由がないのに申請を怠ると、10万円以下の過料の対象です(第164条第1項)。

登記名義人が亡くなっている場合は、相続人が申請できます(第30条)。法務局の記載例では、工事をした業者が出す建物滅失証明書などを添付します。申請書の様式と記載例は、法務局のウェブサイトで入手できます。必要書類と、自分で申請する手順は建物滅失登記とは?で解説しています。

登記されていない家は、市町村の資産税の窓口へ

鹿児島市の案内では、登記された家屋は、滅失登記をすれば法務局から市に通知が届くため、市への申請はいりません。登記されていない家屋は、「取り壊した年の年末まで」に市へ連絡が必要としています。ほかの市区町村の扱いは、建物のある市区町村の資産税の窓口で確かめてください。

届出や登記の手続きに不安がある場合、最終的な判断は土地家屋調査士・司法書士などに相談してください。

相続した家を解体する前に、何を決めておく?

この章のポイント

  • 相続放棄を考えるなら、解体の契約前に相談
  • 共有なら、ほかの共有者の同意を確かめる
  • 解体で土地の固定資産税が上がる場合がある

相続放棄を考えているなら、解体の前に相談する

民法第921条第1号は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなすと定めています(保存行為などは除かれます)。

解体は、家そのものを取り壊す工事です。借金がありそうな場合や、相続放棄を少しでも考えている場合は、見積もりや契約より前に弁護士・司法書士に相談してください。相続放棄の期限(原則3か月)と家財の扱いは、遺品整理はいつから?で解説しています。

名義と、共有者の同意を確かめる

2024年4月1日から、相続で不動産を取得した人は、相続の開始と取得を知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務になりました(不動産登記法第76条の2)。法務省は、それより前に開始した相続も対象で、その場合の期限は原則2027年3月31日までと案内しています。

きょうだいなどで家を共有している場合、民法第251条第1項は、共有物に変更(形状または効用の著しい変更を伴わないものを除く)を加えるには、ほかの共有者の同意が要ると定めています。解体について共有者の間で話がまとまっていない場合は、契約の前に司法書士・弁護士に相談してください。共有の家の扱いは共有持分だけを売る方法、相続登記の進め方は実家じまいは何から始める?で解説しています。

相続した家を解体する前の確認。借金がありそうな場合や相続放棄を考えている場合は、見積もりや契約より前に弁護士・司法書士に相談する。きょうだいなどで共有している場合は、ほかの共有者の同意を確かめる。2つとも当てはまる場合は、両方を確かめる。売るなら、売却特例の要件も確かめる。

売るつもりなら、売却特例の要件と順番を先に確かめる

相続した空き家を売るとき、要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります(令和6年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上なら2,000万円まで)。対象は令和9年12月31日までの譲渡で、家が昭和56年5月31日以前に建てられたことや、売却代金が1億円以下であることなどの要件があります(国税庁 No.3306)。

家を取り壊してから敷地を売る場合、家は相続の時から取壊し等の時まで、敷地は相続の時から売る時まで、事業・貸付け・居住に使われていないことが要件です。取壊し等の時から売る時まで、建物や構築物の敷地に使われていないことも要件です。解体後に敷地を駐車場として貸すなどの前に、要件を確かめてください。要件の全体は相続した実家を売る流れと税金で整理しています。

解体すると、土地の固定資産税が上がる場合がある

固定資産税の賦課期日は「当該年度の初日の属する年の一月一日」です(地方税法第359条)。住宅が建っている土地は住宅用地の特例で課税標準が軽くなり、200㎡以下の部分(住宅1戸あたり)は6分の1、それを超える部分は3分の1になります(同法第349条の3の2、総務省)。

たとえば年末に解体を終えると、翌年1月1日には更地になっているため、翌年度から特例が外れ、土地の固定資産税が上がる場合があります。解体の時期の考え方は空き家の解体費用と補助金の「固定資産税」の章で解説しています。特例が外れたときに税額がどう変わるかの例は、空き家の固定資産税は本当に6倍?で整理しています。

売却特例や固定資産税の見込みは、家と土地の状況で変わります。最終的な判断は、税理士や司法書士、土地のある市区町村の資産税の窓口に相談してください。

解体費用の負担を減らす方法は?

この章のポイント

  • 市区町村の解体補助は、契約前に手続きを確かめる
  • 家財の片付けと解体の費用を分けて比べる
  • 解体せずに売る・買い取ってもらう方法も比べる

市区町村の解体(除却)補助を確かめる

老朽化した空き家などの解体に、補助を設けている市区町村があります。政令市20市の制度は空き家の解体費用と補助金(政令市20市の一覧)で一覧にしています(空き家などの解体に使える補助を確かめられたのは19市。2026年10月27日確認)。

補助の対象は、市が危険と判定した空き家に限るもの、狭い道沿いや密集市街地に限るもの、耐震性の低い住宅に限るものなど、市によって違います。受付期間や予算にも限りがあるため、見積もりを取った段階で、契約の前に窓口で確かめてください。

家財は先に片付けて、費用を分けて比べる

家財が残ったまま解体の見積もりを取ると、家財の処分がどこまで含まれているかが分かりにくくなります。家財の片付けは、自分たちで進める方法も含めて実家の片付けはどこから?で、業者に頼む場合の費用は遺品整理の費用相場で解説しています。物が多く残っている場合はゴミ屋敷片付けの費用相場も参考になります。仏壇がある場合は仏壇の処分方法と費用で扱い方を整理しています。

片付けた荷物の段ボールとごみ袋が並ぶ部屋のイラスト

同じ条件で、複数の業者から見積もりを取る

「見積書と契約書で確かめること」の条件をそろえて、複数の業者から見積もりを取ります。神戸市のシミュレーターが試算に含めない項目(外構の撤去、隣家の壁の補修、アスベストの除去、搬入が難しい場合の割増し)は、それぞれの見積もりに入っているかを項目ごとに比べます。

解体せずに売る方法とも比べる

国に土地を引き取ってもらう相続土地国庫帰属制度は、「建物の存する土地」では申請できません(相続土地国庫帰属法第2条第3項第1号)。この制度を使うなら、解体が前提になります。要件と費用は相続土地国庫帰属制度の使い方で解説しています。

建物の敷地は、原則として道路に「二メートル以上接しなければならない」とされています(建築基準法第43条第1項)。この条件を満たさない敷地では、解体すると原則として新しい建物を建てられません(再建築不可)。接道の調べ方と、解体せずに売る方法は再建築不可物件の売却方法で整理しています。

古家付きのまま売る、または業者に買い取ってもらう方法もあります。解体費をかける前に売却や買取の査定を取っておくと、解体するかどうかを比べやすくなります。買取の仕組みは空き家買取の相場とデメリットで解説しています。

PR

空き家・中古戸建の買取を専門とするサービス『ラクウル』(株式会社ネクサスプロパティマネジメント)のページです。買取の条件は公式サイトで確かめてください。

【ラクウル】

相談先はどこ?

相談したいこと相談先
解体費用の見積もり建設業の許可か解体工事業の登録を受けた業者(複数から見積もりを取る)
建設リサイクル法の届出の窓口建物のある市区町村の建築担当、都道府県
アスベストの補助があるか建物のある自治体
市区町村の解体補助空き家のある市区町村の担当窓口
建物の滅失登記法務局、土地家屋調査士
未登記の家を取り壊したときの連絡、固定資産税市区町村の資産税の窓口、税理士
相続放棄家庭裁判所、弁護士、司法書士
相続登記、共有名義法務局、司法書士
売却した場合の価格不動産会社(査定)
空き家の売却特例税務署、税理士

この記事は、2026年10月30日に法令と公式ページで確かめた内容をもとにした一般的な説明です。届出・登記・相続・税金について、最終的な判断は土地家屋調査士・司法書士・弁護士・税理士などに相談してください。

よくある質問

Q1. 業者に頼まず自分で解体しても、届出や調査は要りますか?

建設リサイクル法第10条第1項の届出は、発注者だけでなく「自主施工者」(自分で施工する人)にも求められています。規模の基準(解体する部分の床面積の合計80㎡以上)は同じです。

大気汚染防止法第18条の15第4項も、自主施工者に石綿の事前調査とその記録の保存を求めています。調査の結果は都道府県知事に報告します(同条第6項)。

Q2. 解体費用は、土地を売ったときの税金の計算で差し引けますか?

国税庁は、「土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額」を、譲渡費用の一つに挙げています(No.3255)。

自分の場合にどの費用が譲渡費用になるか、最終的な判断は税理士や税務署に相談してください。

Q3. 建て替えのための解体でも、建設リサイクル法の届出は必要ですか?

建物の解体工事の基準は、解体する部分の床面積の合計が80㎡以上であることです(建設リサイクル法施行令第2条第1項第1号)。基準は工事の規模で決められています。建て替えの場合も、解体する部分が80㎡以上になるかを業者や窓口で確かめてください。

建物を新築・増築する工事の基準は、別に床面積の合計500㎡以上と決められています(同項第2号)。

Q4. 家の中に仏壇が残っています。解体の前にどうすればいいですか?

仏壇の処分の方法と費用は、仏壇の処分方法と費用で整理しています。解体業者に家財と一緒に処分を頼む場合も、見積書で家財の処分が別の項目になっているかを確かめてください。

出典

執筆・編集:しまい支度編集部(編集方針)

最終確認日:2026年10月30日